PR Table主催の「採用マーケティングが優秀な人材との出会いを加速させる」の様子

昨日開催されたPR Table主催の「採用マーケティングが優秀な人材との出会いを加速させる」にパネリストとして登壇してきました。「採用マーケティング」は私(渡邊)が人事になったときから標榜していた言葉であり、最近はその使われ方に少し違和感も覚えていたので、このタイミングで登壇させて頂いたのは良い機会でした。

当日の実況中継のまとめはこちらから確認することができます。

[参考]採用マーケティングが優秀な人材との出会いを加速させる - PR Table Community #19
https://togetter.com/li/1355833

■採用マーケティングとは何なのか?

昨日のテーマの一つですが、渡邊が提示した回答は「採用にマーケティングのOSをインストールすること」であり、「採用マーケティング=プロモーション」だけではないし、「採用マーケティング=お化粧」でもないという逆定義もさせて頂きました。

採用マーケティングという言葉がこれだけ独り歩きしていますが、人事界隈の人でコトラーの「マーケティング・マネジメント」を読破したことがある人はどれくらいいるでしょうか?セス・ゴーディンやアル・ライズ、デイビット・A・アーカーなどの著作を読んだことがある人はどれほどいるでしょうか。もしかしたら「マーケティングの4P」を聞かれても答えられない人が「採用マーケティング」という言葉を使ってしまっているかもしれません。

マーケティングとは小手先の手段やHACKSではなく、根源的な企業活動です。短期的なコンテンツマーケティングやプロモーションではありません。無理してコンテンツを捏造したりすれば、すぐにバレてしまうオープンな時代です。そういう意味で「採用マーケティング」「会社=プロダクト」に据えた、全社活動なのです。

■採用マーケティングに強い会社の事例は?

昨日盛り上がったテーマですが、私があげさせていただいたのは、キャノンマーケティングさんとセプテーニさんです。どちらもコンテンツマーケティングを頑張っている、というイメージはあまり湧かないと思いますが(実際にそこまで発信はしていない)、私の視点から見ると、「採用マーケティング先進企業」です。

キャノンマーケティングさんの事例では、2010年1月に発表された1枚のPDFを紹介させて頂きました。

キャノンマーケティングさんの事例紹介の様子

2010年1月といえば、リーマンショックのダメージも残り、少し前には「内定切り」という現象も発生していたくらいの劣悪な景況感です。そんな中、無責任に採用活動を始めるのではなく、きちんと再建の見通しが立ってから採用活動を開始しよう、その意思決定を体外的に発信した素晴らしい事例です。

本来こうしたネガティブな意思決定はなかなか外に発表されませんが、そのありのままの、リアルな状況を、世の中の動向を鑑みて適切にメッセージングしていくこのやり方・あり方は採用マーケテイングの真髄のひとつなのではないかと思います。何もブログをたくさん更新しなくても、PDF1枚でも良いんですよね。

2社目はセプテーニさんです。セプテーニさんが極めてマーケティング戦略的であったのは、「戦わない」ということを選択したこと。より厳密に言えば、「自社で活躍する人材像をモデリングし、その中でも他社と獲得競争に陥らない特性をもつ人材をピンポイントで採用した」ということです。

対外への発信をやたらとやるのではなく、まずは自社の活躍選手をきちんと分析する。そしてROIを向上させるために「戦わない」選択を取るというのは、戦略的には大正解だと思います(戦略の本質は「戦いを略すること」)。非常に優れたケーススタディだと思うので、ぜひ参考にして頂ければと思います。

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■採用マーケティング力を組織的に高めるためには?

最後の話題では、こんな提示をさせて頂きました。

①採用責任者の給与を上げること
②サーチのルールに対応すること
③ソーシャルのルールに対応すること

HR領域のデジタル化は止めることができない不可逆な流れです。必ずデジタル対応が求められます。デジタルリテラシーも求められます。しかし悲しいことに、現時点でのHR界隈はデジタル人材に取って魅力的とは言えないポジションです。

そこで、まずは賃金を上げること。賃金を上げるということはもれなく社内におけるそのポジションを認めるということであり、そうした全社的な雰囲気作りができなければデジタル人材はHRに流れてこないでしょう。海外のハイアリングマネジャーは給与が高いと言われていますが、このあたりもグローバル対応する必要があると思います。これが1点目。

②と③はデジタルのルールです。デジタルマーケティングは「いかに検索されるか」「いかにシェアされるか」の2点で80%説明できると思っています。その2つの大ルールに自社を最適化できるか、が非常に重要です。

自社がどんなキーワードで検索されたいか。自社のコンテンツを誰から誰に伝えていきたいか。そうしたことを考え続けることが第一歩となります。今から対応することで、数年後ようやく実現するような話ですが、今の投資が必ず未来に生きて来ます。マーケティング活動は資産、です。今から活動することで資産は蓄積され、数年のときを経て花が咲きます。

 

上記のような見解を主張しながら、大変楽しい90分を過ごさせて頂きました。ぜひPR Tableさんの他のイベントもチェックして頂ければと思います。

 https://www.pr-table.com/PR_Table/event_list

 

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