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新卒採用のメリットとデメリット、注力すべき企業の特徴と採用後の定着率を上げる方法を解説!

新しい人材を求めて、新卒採用を検討している企業も多いのではないでしょうか。新卒採用は、企業の活性化や組織文化の継承など、企業にとってのメリットも多い半面、新卒社員が社内に馴染めるようにするための取り組みを採用後にも継続的におこなう必要があります。

中途採用とは得られるメリットや採用コストが異なるため、自社に最適な採用方法を選択するためには、双方のメリット・デメリットを比較して判断することが重要です。

求める人材や経営状況とも照らし合わせ、採用後に必要な取り組みまで把握した上で、自社に適した採用方法を検討しましょう。

 

目次



新卒採用とは?

新卒採用とは?

新卒採用とは、高校・大学を卒業予定の学生を対象としておこなう採用活動のことを指します。中途採用とは採用対象やスケジュールが異なるため、メリットとデメリットもそれぞれ異なります。

新卒採用は採用時期が決まっており一度に採用活動をおこなえるので、企業側にとってもメリットが多く、毎年一定数の新卒社員を採用して企業内の人員バランスを取ることや、企業文化を継承することを目的として実施されます。

また、新卒採用は企業の成長や戦略に直結し、長期的な人材確保を図る上で重要な役割を果たします。

 

新卒採用のメリット

新卒採用のメリット

中途採用者とは異なり、社会人経験のない新卒社員ですが、若さや柔軟な視点が企業にとってメリットとなるケースがあります。特に、組織文化の継承や育成がしやすい点は、新卒採用者であるからこその特徴であり、その柔軟さから企業に新しい風を吹き込むことも期待されます。

ここからは新卒採用をおこなうメリットについて解説します。

組織文化を継承しやすい

新卒採用のメリットの1つとして、組織文化をスムーズに継承できることが挙げられます。

新卒社員は就労経験がない状態のため、自社で働き方を一から学び、身につけていくことになります。

そのため、自社特有の組織文化や独自の働き方に適応しやすく、企業側からすれば、社内の風土や価値観を継続的に伝承しやすいというメリットがあります。

 

社内の活性化につながる

新卒社員は就労経験がないため、教育や研修の実施は必要になりますが、新卒社員への教育を通して、組織全体や先輩社員自らの課題発見を促し、社内をブラッシュアップすることにつながります。

また、固定概念のない新卒社員の意見や問題提起は、企業に新しい視点やアイデアを取り込むことも期待できます。新卒社員の存在により先輩社員が刺激を受け、仕事へのモチベーションが高まれば、社内の雰囲気を活気付けにつながります。

 

将来の幹部候補となる人材と接触しやすい

新卒採用では、社会人経験がない中で企業理念に共感して志望してくる新卒社員が多いため、将来の幹部候補となる人材と直接接触しやすいという特徴があります。

まっさらな状態の人材を採用することで、能力やポテンシャルを早い段階で把握し、育成できる点も利点として挙げられます。

また、新卒社員とのコミュニケーションを通じて、企業の風土や価値観を直接伝え、一から形成していくこともできるため、中途採用からは得られないメリットがあるといえるでしょう。

 

採用にかかるコストが抑えられる

【図版】2019年度新卒採用および中途採用1人あたりの平均採用コスト

出典:就職みらい研究所 就職白書2020

新卒採用は一斉におこなえるため、採用時期が定まっていない中途採用に比べて、採用コストを低く抑えることができます。

「就職白書2020」によると、1人あたりの平均採用コストについて、中途採用は103.3万円なのに対して、新卒採用は93.6万円であり、わずかに新卒採用の費用の方が少ないことがわかります。

また、複数の人材を一度にまとめて採用できるので、採用に伴うイベントの開催なども頻繁におこなう必要がなく、採用担当者の負担軽減にもつながります。

 

新卒採用のデメリット

新卒採用のデメリット

新卒採用には企業にとっても多くのメリットがある一方で、即戦力にはなりにくい点や、適性の見極めが難しい点など、社会人経験がないこと自体がデメリットにつながってしまう場合もあります。

ここからは、新卒採用において考えられるデメリットを紹介します。

戦力になるまでの育成に時間とコストがかかる

就労経験のない新卒採用者を一人前の戦力に育て上げるまでには、長い時間とコストがかかります。専門的なスキル習得のための研修費用や教育プログラムの費用、また人員を割いて教育するための人件費など発生します。

さらに、新入社員が自立して業務を遂行できるレベルに到達するまでの間、その生産性は当然低い状態であるため、組織の利益を大きく底上げするような即戦力としては期待しにくいでしょう。

 

景気や社会情勢の影響を受けやすい

新卒採用は、経済や社会情勢の変動に直接影響を受けやすい性質があります。

経済が好調な時期には企業の採用活動が活発化し、求人数も増えるため、新卒社員にとっては有利な状況となる一方で、企業間での人材獲得競争が激しくなります。

反対に、不況時には採用活動への投資を十分に行えず、新卒採用自体に踏み切りにくくなることがあります。中途採用と比べて見通しを立てることが難しいため、安定した人材確保や満足のいく結果を得られるとは限らない点はデメリットといえます。

 

適性の見極めが難しくミスマッチが起こるケースも多い

【図版】初職の転職理由TOP5

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構 調査シリーズNo.191 若年者の離職状況と離職後のキャリア形成Ⅱ

育成方法や配属先は、適性を把握してから決めるのが望ましいですが、就労経験がない新卒社員の適性を見極めることは難しく、ミスマッチが起きてしまう可能性があります。

実際に、若年者の離職状況についての調査結果を見ると、初職の離職理由の中には「自分がやりたい仕事とは異なる内容だったため」という回答が含まれており、男女ともに2割程度がミスマッチを理由に離職していることがわかります。

【図版】新卒採用のメリット/デメリットまとめ

 

中途採用のメリット

中途採用のメリット

新卒社員とは異なり、中途採用者は就労経験があるため、自社にとって即戦力となることや研修の必要がないことがメリットとして挙げられます。

ここからは、中途採用のメリットについて詳しく解説します。

 

即戦力となる人物を獲得できる

中途採用は新卒採用とは異なり、すでに一定のスキルやノウハウを持つ人材を直接採用できるという特徴があります。

これにより、新たに採用した人材がすぐに業務を遂行し、組織全体の生産性を高める即戦力となることが期待されます。

同業他社で働いていた人物であれば、業界への知識がすでに備わっているだけではなく、人脈から新しい取引先を増やすことも期待できるため、企業にとって大きなメリットとなるでしょう。

 

研修にかかる時間やコストを抑えられる

一から教育を必要とする新卒社員の採用とは異なり、中途採用では、すでに一定の業務経験や専門知識を持っている人材を採用できるため、研修にかかるコストを大幅に抑えることができます。

また、新卒採用は長期にわたって行われますが、中途採用は数週間から数か月で終了するため、時間を節約できるという点もメリットといえます。

 

中途採用のデメリット

中途採用のデメリット

一方で、他社で働いていた経験がある中途社員だからこそ、ギャップを感じやすい側面もあり、短期間のうちに再び転職してしまうというリスクもあるため注意が必要になります。

就労経験があることは中途採用のメリットでもある半面、デメリットになり得ます。

 

企業文化に馴染めない恐れがある

中途採用のリスクとして、異なる企業文化の背景から、新たな組織に馴染むのに時間がかかる可能性があることが挙げられます。

就労経験がないために、企業に馴染みやすい新卒社員とは異なり、他企業で経験を得た後に新たな企業に入社する中途社員には、すでに確立されている企業文化に馴染むことが求められます。

特に中途採用者が以前まで勤めていた会社の影響を強く受けている場合、転職先である自社への適応が困難となることもあります。

 

早期離職のリスクがある

前述の通り、新たな職場への適応は一定の時間を要することが一般的であるため、その間に生じるストレスや不満が早期離職を招く可能性があります。

特に、中途採用で入社する人物は、一度転職を経験しているために離職にも抵抗がなく、入社後にミスマッチやギャップを感じてしまうと、早い段階で離職を決断することも考えられます。

ミスマッチは新卒採用でも起きる場合があるため、入社後のフォロー体制の整備も重要です。

 

【図版】新卒採用のメリット/デメリットまとめ

 

新卒採用に注力すべき企業

新卒採用に注力すべき企業

新卒社員の若さやエネルギー、柔軟な視点は、企業文化の継承や新しい発想を必要とする新規事業の立ち上げなどでメリットをもたらすことが期待されます。

そのため、若い世代を採用することでメリットのある企業こそ、新卒採用に注力すべき企業といえるでしょう。

若手が成長する社風を作りたい企業

新卒採用で入社する社員は自社での仕事が初めての就労経験となるため、適切な育成によって企業への定着を図れます。

また、新卒社員は成長意欲も高いため、若手が主体となって仕事をする社風を作りたい企業は、中途採用よりも新卒採用の方が向いていると言えます。

若手の育成を強みにできれば、新卒社員にとってもその企業でどのように成長していけるかがイメージしやすく、キャリアビジョンが描きやすい点が入社の決め手となることもあり、今後の採用市場においての競争が有利になるという利点もあります。

 

自社の企業文化を継承したい企業

新卒採用は、自社の企業文化を次世代に継承する手段の1つです。

企業文化の継承には、若手社員が自社の価値観を理解し、受け入れることが必要となるため、転職を経験している中途採用者より、自社の文化を受け入れやすい新卒社員をじっくり育成する方が効果的でしょう。

そのため、時間をかけてでも自社の企業文化を継承していきたいと考える企業において、新卒採用は人材確保の有効な手段となります。

 

新規事業の立ち上げを検討している企業

新規事業の立ち上げには、新たな視点やアイデアが必要ですが、固定観念に縛られていない新卒社員の柔軟な発想や視点が重要な価値になるケースもあります。

また、既存社員も挑戦したことのない分野で新規事業を立ち上げる場合、新規事業に携わるメンバーが対等となるため、経験のない新卒社員も主体的に取り組みやすく、企業の新たな戦力となることが期待できます。

 

採用後に新卒社員の定着率を上げるには?

採用後に新卒社員の定着率を上げるには?

新卒採用で若い人材を獲得しても、入社後にミスマッチが発覚してしまえば、新卒社員の早期離職を招いてしまう恐れがあります。

入社後のミスマッチを防ぎ、採用後に自社への定着率を上げるためには、労働環境や育成制度の見直し、サーベイツールの活用なども検討する必要があります。

 

オンボーディングを充実させる

新卒社員の定着を図る対策として効果的な施策の1つが、オンボーディングの充実と強化です。

オンボーディングとは、採用した新しい人材に対して企業がおこなう、スキルアップ研修や交流会、メンター制度などの取り組みのことです。新卒社員が企業文化や業務内容、自分の役割を把握し、自信を持って業務に取り組めるようになることで働きがいを向上させて、いち早く会社に馴染むことを目的としています。

特にコロナ禍においては、オンボーディングをオンライン上で実施することが余儀なくされ、新卒社員と企業の双方が不安を感じる中でおこわれたことが予想されます。

しかし、コロナ禍前後の新入社員(2019年卒・2020年卒)に対して行われた会社への適応状況についての調査結果を見ると、「仕事のやりがい」や「組織コミットメント」「キャリアの見通し」などから見る適応状況はコロナ禍以降の20卒者の方が高い割合にあることがわかりました。

このことから、状況に応じてオンボーディングの内容やサポート面をより充実させることも重要であるといえるでしょう。

 

【図版】コロナ前後(20年卒/19年卒)での入社1年目の適応状況

出典:株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 新卒入社1年目オンボーディング 実態調査

 

社内制度や労働環境を見直す

新卒社員の定着率を向上させるためには、人事評価制度や勤務制度、福利厚生などを見直し、問題が見られる場合には改善に努める必要があります

残業面など、ベテラン社員と新卒社員で対応を変えてしまうと、ベテラン社員の早期離職や新卒社員が萎縮してしまうなどのリスクを招いてしまう恐れがあるため、社員全員に対して平等な労働環境を整えるようにしましょう。

社員の意見を積極的に取り入れ、それぞれが働きやすい環境を提供することで、新卒社員だけでなく社員全体の定着率を高めることにつながります。

 

サーベイツールを導入する

サーベイツールを導入する

サーベイツールとは、社員の会社への満足度を調査するためのツールのことです。

社員の満足度が高い企業は離職率も低くなるため、社員の声から社内の改善点を見つけ出すことに活用すると良いでしょう。

サーベイツールのGeppoは、社員だけではなく新卒社員や内定者へのサーベイツールとしても導入されており、早期離職率の改善やオンボーディングの充実にも活用できます。

 

 

 

内定者の段階から組織に定着させることが重要

前述した通り新卒採用では、採用活動の費用に加え研修や教育のためのコストもかかります。

新卒社員が一人前になるまでに早期離職を招いてしまわないようにするためには、対策を講じる必要がありますが、Geppoは内定者の辞退を防ぐためのツールとしても活用された事例があります。

500人以上の内定者を抱えている会社では、内定者向けにカスタマイズした設問の配信を毎月おこない、回答を得られない内定者に対して個別に連絡をとるようにしたところ、悩みや不安を早期に検知でき、適切なタイミングでフォローをおこなうことができたと言います。

 

 

また、別の企業では新卒社員の離職を防止するために、Geppoを活用して個人の状態を可視化し、アラートが発生した社員に対しては面談をおこなうようにしたことで、社員の本音を引き出せ、離職率を大幅に改善することにも成功しました。

これらの事例の通り、内定者や新卒社員の定着率を向上させるためには、採用後にも継続してコミュニケーションをとる必要があることがわかります。

採用コストを無駄にしないためにも、辞退や離職を防ぐ取り組みを積極的におこない、内定者や新卒社員との信頼関係を築いていきましょう。

 

 

限られた設問数で定期的に継続しやすい

一般的なサーベイツールは、早期離職を防ぐために有効な手段ですが、社員の負担になってしまうこともあります。

その点、Geppoが従業員に課す設問数は毎月3問+αに設定されるため、負担になりにくく継続しやすいという特徴があります。

また、全国就業実態調査(JPSED)の結果から退職・求職の要因を分析し、「仕事満足度」「人間関係」「健康」に関する設問を作成しており、選び抜かれた3つの設問に回答するだけで、従業員の声を吸い上げることが可能です。

 

サポートが充実している

Geppoでは、各企業に1人のカスタマサクセス担当が付き、導入から、運用、改善提案まで一貫してサポートしています。

オンボーディングのレクチャーも行っているため、新卒採用に伴い初めてサーベイツールを活用する企業でも安心して利用することができます。

サーベイ結果の読み込みや詳細なレポートの提出なども対応しているため、調査結果を容易に把握できるところもポイントです。

 

Geppo製品訴求イメージ

 

まとめ

まとめ

新卒採用のメリットは、若く、やる気のある人材を確保できるとともに、企業文化の継承や事業を継続できる可能性が高まるという点です。

しかし、働き方が多様化していることで、早期離職や入社後のミスマッチといった問題もあるため、適切な採用準備や育成を実施することも重要です。

サーベイツールなどを活用しながら、採用後にもフォローやサポートを継続しておこなうようにしましょう。

【監修者プロフィール】

geppo監修木下洋平 

木下 洋平

合同会社ミライオン

 

株式会社リクルートや教育研修会社での勤務後、現在は独立した専門家として活動。

キャリアコンサルタント資格を取得し、400人以上の個人のキャリア開発をサポート。

また、企業向けの人材育成・組織開発コンサルティングも手掛けており、個人と組織の両面での支援を行っている。

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