従業員にとって、会社のなかでおいしい食事が食べられる社員食堂は嬉しい存在です。これまで社員食堂といえば、「安くておいしい」もしくは「安くてお腹いっぱい食べられる」ものだと認識されてきましたが、最近では新たな価値を提供する社食サービスが現れています。
この記事では社内に設置する社員食堂ではなく、社外の社食サービスを利用するメリットと、具体的なサービスについて紹介します。
①広まりを見せる社食サービス
近年、福利厚生や従業員に対する健康支援の一環として、社食に対する関心が高まっています。もともと社食や食事手当といった「食」に関する福利厚生は働き手にとって大いに歓迎されるものでした。
たとえばマンパワーグループが2015年4月に行った福利厚生に関する調査では、「会社の福利厚生として良いと思う福利厚生」の第2位に、「実際にあった福利厚生でよかったと思う福利厚生」の第1位に「食堂・昼食補助」がランクインしました。
また、日経XTECHは2016年10月から2017年12月にかけて「すごい社食」という連載記事を掲載。ソフトバンクやアマゾン・ドット・コム、日立製作所といった有名企業の社食を1年以上にわたって紹介しました。
このような従来の社食では社内に従業員専用の食堂やカフェテリアを設ける形が一般的でした。一方で、中小企業やスタートアップ企業が自社オフィス内に、調理設備を持つ食事スペースを設けることは難しいのが実情です。こうした背景により、社外の社食サービスの活用が注目を集めているのです。
▼マンパワーグループによる福利厚生調査についての詳しい情報は下記をご覧ください。https://www.manpowergroup.jp/client/jinji/surveydata/150422_01.html
▼日経XTECHの連載「すごい社食」についての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://xtech.nikkei.com/it/atcl/column/16/100300217/
②社食サービスを導入するメリット
社員食堂と比較すると「専用スペースがなくても利用できる」というメリットがある社食サービスですが、社食サービス自体にはどのようなメリットがあるのでしょうか。従業員に対する福利厚生の1つとして、社食サービスを導入するメリットは下記の通りです。
●コミュニケーションの活性化
社内で利用できる社食サービスを導入すると、多くの社員が昼休みを社内で過ごすようになります。メニューを選ぶ際に食べたことがある人から感想を聞いたり、普段は仕事の話しかしない相手の意外なチョイスを見たりといったことがあるそうです。
社食サービスを導入することは、従業員が社内で仕事以外の楽しい時間を過ごす理由になります。そのような時間を通じて、社内のコミュニケーションが活性化し、仲間の新しい一面を発見する機会につながる点は、組織にとってメリットだといえるでしょう。
●コンビニや飲食店でのタイムロスやストレスの軽減
特にビジネス街では、昼時になるとコンビニや飲食店が一斉に賑わい、混雑します。お昼時まっただなかの時間ともなれば、コンビニのレジには長い行列ができ、飲食店を相席で利用しなければならなくなるといった事態に陥りがちです。
このような時間は多くの社会人にとって、リラックスできる休憩時間ではなく、かえってストレスがたまる不快な時間になっているでしょう。社食サービスを導入すれば、昼食時に発生するタイムロスや、感じるストレスから従業員を開放できます。
●従業員の健康支援
3つ目のメリットとして期待できるのが、従業員の健康支援です。近年は特に「安い」、「おいしい」、「ラク」というポイントに加えて、従業員の健康をサポート・促進するという点でも社食サービスの役割に期待が集まっています。
③社員の健康維持を目的とする社食サービス
これまでの社員食堂や社食サービスは「安くておいしい」ということが重視されてきましたが、近年は「食べることで健康になれる」、「忙しい生活の中で偏った栄養バランスを整えることができる」といったコンセプトの社食サービスが生まれています。
こうした社食サービスは、利用する従業員はもとより、社食サービスを従業員への福利厚生として捉えて導入しようとする企業に選ばれています。企業としては、食べるだけでヘルスケアにつながるサービスを整備することで、社員のコンディションを整え、生産性を向上させることができるのです。
前述の通り、コミュニケーションの活性化や昼休みのタイムロスの軽減、混雑によるストレスの回避といった点も、従業員にとってはもちろん魅力的です。一方で、従業員の健康支援は会社が従業員を大切に思っているという姿勢を示すものになるでしょう。
社食サービスを福利厚生として捉えるなら、「従業員のことを大切に思っているから」、「いつも健康でいてほしいから」といったメッセージを添えて導入することで、従業員の満足度やモチベーションを高められるのではないでしょうか。
④健康支援系社食サービス紹介5選
では、具体的に健康を支援する社食サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。今回は様々な社食サービスのなかから「健康」や「ヘルシー」、「無添加」といった点を前面に押し出している健康系社食サービスを5つ紹介します。
●BASE FOOD STAND
BASE BREADは26種のビタミンやミネラル、 たんぱく質、 食物繊維など、体に必要な栄養素が詰まった完全栄養パンです。BASE FOOD STANDは企業に専用スタンドを無料で貸し出し、従業員がBASE BREADを気軽に楽しめるようにするものです。BASE BREADと相性抜群のジャムがついて、価格は1食350円。支払いはLINE Payによる電子決済。企業が現金を管理する手間がかからない点も、企業にとって嬉しいポイントです。また、販売台はスペースにあわせて床置き型と卓上型の2種類から選ぶことができます。
▼画像出典およびBASE FOOD STANDについての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://basefood.co.jp/news/180
●オフィスおかん
サービス開始5年で導入企業が2000社をこえた人気社食サービス。管理栄養士が監修した安全で健康的なおいしいご飯を、おかず1品100円から楽しむことができます。オフィスおかんで味わえるメニューの数は約20種類です。
企業側が必要な対応はオフィスに電子レンジを用意するだけ。毎日バランス良いお惣菜がオフィスに常備されるようになります。
▼画像出典およびオフィスおかんについての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://office.okan.jp
●Fit Food Biz Lite
従業員が昼食後に高いパフォーマンスを発揮するために、特に糖質摂取量の最適化を目指した健康社食サービス。「糖質控えめで眠くならない」という点に配慮すると同時に、1食につき20〜30品目の食材を使用することで、低糖質ながらも満足感を損なわない食事になっています。
栄養バランスについては医師・栄養士の監修のもと、7大栄養素をしっかりと摂取できるよう考慮されています。価格は1食500円。
▼画像出典およびFit Food Biz Liteについての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://tavenal.com/ffbl
●オフィスでやさい
専任の管理栄養士が、日本全国の様々なヘルシーフードを厳選。産地直送の野菜や新鮮なサラダ、旬のフルーツ、飲料・ヘルシースナック・惣菜などをオフィスで楽しめるのが、「オフィスでやさい」の特徴です。国産原料、安心、安全、鮮度にこだわる社食サービスです。
価格は企業が一部費用を負担することで、従業員の負担を1品100円からに抑えられます。しっかりとした食事を希望する場合は、同社が提供する「オフィスでごはん」の導入を検討することもできます。
▼画像出典およびFit Food Biz Liteについての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://www.officedeyasai.jp
●ヘルシーランチプログラム
ヘルシーランチプログラムは、栄養士監修のもと調理されたスマートミール認証弁当をオフィスに届けるサービスです。弁当は17品目以上食材を使用して調理された7品~8品のおかずで構成されています。調理時に保存料・添加物を一切使用していない安心・安全の食事です。
模範的な従業員の健康支援を行う企業が認定される「健康経営銘柄」選定企業や、「ホワイト500」認定企業への多くの導入実績があります。価格は1食600円です。
▼画像出典およびヘルシーランチプログラムについての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://www.healthy-stand-japan.com/healthy-lunch-program
⑤まとめ
従業員がいつもベストなコンディションで仕事に取り組めるように、福利厚生の一環として食のサポートしてみてはいかがでしょうか。その際、「安い」、「おいしい」といった要素に加えて、「健康」というテーマで社食サービスを選ぶことも1つのポイントでしょう。
食事の栄養バランスに気をつかいたいと思いながらも、日々仕事に打ち込んでいる従業員にこそ、健康系社食サービスは喜ばれるはずです。