特別休暇とは?社内への導入方法と事例を紹介

By Geppo編集部 |
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カテゴリー: 福利厚生 人事基礎知識

特別休暇で社員にポジティブな影響をもたらす

企業ごとに定められている「特別休暇」を企業がうまく取り入れられれば、社員にポジティブな効果をもたらし、採用活動などにも良い影響をもたらします。今回は特別休暇を社内へ導入するための方法を中心にご紹介します。

■特別休暇とは

特別休暇を楽しむ社員のイメージ

特別休暇は、法律などでその内容が定められているわけではなく、その種類や取得の条件は企業が独自で決めることができます。詳しく見てみましょう。

●特別休暇とは

特別休暇は企業が任意で就業規則などに規定できる休暇で、企業独自の福利厚生としての役割を持っています。「法定外休暇」と呼ばれることもあります。一方、労働基準法で定められている「法定休暇」は企業の就業規則に定めがなくとも、社員が取ることができる休暇です。法定休暇は、社員から取得をしたいと申し出があった場合、企業は原則としてこれを拒否することはできません。

●特別休暇は有給か無給か

特別休暇は企業ごとに就業規則などで定められている、企業独自の福利厚生です。したがって、有給にするか無給にするかは、企業が独自に決定できます。

●法定休暇と特別外休暇の種類

労働基準法などの法律で定められている法定休暇と、企業ごとに福利厚生の一つとして定められている特別休暇ですが、どのような種類の休暇があるのでしょうか。それぞれ見てみましょう。

○法定休暇の種類

労働基準法や育児介護休業法などの法律で定められており、企業の就業規則などに規定がなくとも社員が取得できる休暇は、具体的には下記のようなものが該当します。

・年次有給休暇(労働基準法第39条)

賃金が支払われる休暇です。法律上は、雇入れの日から6カ月時点で、8割以上出勤している労働者に対して、10日間付与され、その後は1年ごとに決められた日数が付与されます。

・産前産後休業(労働基準法第65条)

女性労働者が母体保護のため出産の前後において取得する休業です。産前は出産予定日の6週間前(双子以上の場合は14週間前)から、産後は出産の翌日から8週間は休業期間となります。ただし、産後6週間を経過後に本人が請求し、医師が認めた場合は就業が可能です。

・生理休暇(労働基準法第68条)

「生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置」として定められた休暇です。ただし「生理だから無条件に休める」という規定ではなく、症状が重く就業がままならないことが休暇取得の条件になります。

・子の看護休暇(育児介護休業法第16条の2)

小学校就学の始期に達するまで(6歳に達する日の属する年度の3月31日まで)の子を養育する労働者が、病気やけがをした子の看護、または子に予防接種、健康診断の受診のため、1年に5日(子が2人以上の場合は10日)まで取得できる休暇です。

・介護休暇(育児介護休業法第16条の5)

介護休暇は、家族が病気・けがや高齢などの状態で介護が必要になった際に取得できる休暇です。時間単位で取得することができ、生活の介助など直接的な介護以外に、必要な買い物や書類の手続きを行う際にも利用することができます。

○特別休暇の種類

特別休暇には下記のような休暇があります。特別休暇は法律での定めがないため、企業ごとに日数や条件は異なります。

・バースデー休暇

誕生日やその前後1週間で1~3日程度取得できる休暇です。

・リフレッシュ休暇

ある程度勤続年数が経過した社員に対して、本人とその家族の心身のリフレッシュを目的として5日程度付与される休暇です。勤続年数の節目で付与されることが多いようです。

・ボランティア休暇

ボランティア活動を行う社員に対して付与する休暇です。

・スクールイベント休暇

子供の授業参観など、学校行事に参加するために取得できる休暇です。

・慶弔休暇

本人が結婚したときや、家族が死亡したときに取得できる休暇です。

●特別休暇の条件

特別休暇は企業が独自に規定できる休暇であるため、「いつ」「どんな時に」「どのくらい」休暇を取得できるかなどの条件については、原則として企業が自由に決めることができます。

たとえば「リフレッシュ休暇」を設けている企業も多くありますが、リフレッシュ休暇の場合、職業人生の節目に社員の心身の疲労回復(リフレッシュ)を目的として付与されています。そのため「勤続年数3年ごとに、5日間の休暇を付与」など、ある程度の勤務年数が経過した社員に対して休みが付与されています。

また「裁判員休暇」は、社員が裁判員としての職務を果たすため、その期間に付与される休暇です。平成21年5月21日から国民が裁判官とともに刑事裁判に参加する「裁判員制度」が開始されたことを受けて、導入する企業が増えました。

特別休暇は企業が任意で設定できるものです。休暇の取得や条件などは企業の状況を見ながら、社員と話し合い、設定するとよいでしょう。

 

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■特別休暇の導入のメリットと導入方法

特別休暇を導入する際に考えるメリットと導入方法 

企業が独自に規定できる特別休暇ですが、導入することにより現在企業へ在籍している社員のみならず、優秀な人材を確保・定着させることにも良い影響があります。特別休暇を導入するメリットと導入方法を解説します。

●特別休暇を導入するメリット

特別休暇を導入すると、社員の仕事に対するモチベーションを上げることや、ワーク・ライフ・バランスを良好にすることができます。特別休暇を導入するメリットには以下のようなものがあります。

○社員のモチベーションが上がる

特別休暇のなかには、リフレッシュ休暇やバースデー休暇など社員の個人的を労う意味で設定されている休暇のほか、慶弔休暇のような社員の人生の一大事の際に安心して休めるように設定されている休暇もあります。どちらの休暇においても、これらの特別休暇が設定されていることにより、社員はモチベーションを保って仕事を続けられるメリットがあります。

○社員のワーク・ライフ・バランスを良好にする

特別休暇を導入して休暇日数を増やすことで、仕事外の可処分時間を確保できるようになり、ワーク・ライフ・バランスを良好に保つことが可能になります。

内閣府の報告書「ワーク・ライフ・バランスの必要性について」においても、以下のように述べられています。

「多様な人材を生かして競争力を強化するためには、個人の様々なニーズ(希望や必要性)に対応し心身の健康が維持できる就業環境を提供するとともに、意欲や満足度を高めることで優秀な人材を確保し定着させることが求められており、ワーク・ライフ・バランスの推進が極めて重要となる」

○人材の定着率を上げる・優秀な社員の獲得につながる

特別休暇が取得できることにより、社員は個人のニーズを満たせるようになります。社員の満足度は高まり、退職者を減らすことができます。さらに、優秀な人材からの応募を増やすことにつながり、企業にとって切実な課題の解決に役立ちます。

●特別休暇の導入方法

特別休暇の導入をする方法をステップに沿って解説します。

1.特別休暇を設ける目的を設定

特別休暇を導入するにあたり、まずは休暇の目的を設定しましょう。なぜ休暇を設けるのか、社員にはどのような休暇を求めているのかを考えます。休暇を導入することで企業や社員にとって、どのような効果があるのかを見極めることが重要です。

同時に、休暇導入後の効果を定量的に評価することも考えましょう。たとえば、バースデー休暇などは社員全員が年に1度必ず取得のタイミングがあるので、「〇%以上の社員が利用するよう促進する」という目標値を設定するなどが考えられます。

2.特別休暇の条件や手続き方法を設定

特別休暇を設定する目的が決まったら、次にどのような条件で取得ができるのか、どのような手続きで取得できるのかを定めましょう。

下記のような条件や手続きについての内容を企業と社員の双方が認識の誤りがないように明文化します。

  • どのようなタイミングで何日程度取得できる休暇なのか
  • 休暇を取得する際には、いつどのような手続きを行うのか
  • 該当の特別休暇は有給か、無給か

3.新たな特別休暇の導入を全社に周知する

諸条件の設定などを終えて、新たな特別休暇を導入・施行できるようになったら、全社に新しい特別休暇について周知します。せっかくできた休暇制度も、社員が知らなければ利用されません。特別休暇を利用した社員に「利用してみてどうだったか」についてアンケートをとり、結果を周知するのも休暇利用促進につながります。

4.特別休暇を取得しやすい職場環境づくり

取得率が高いならば問題ありませんが、新しく特別休暇を導入しても、「なかなか休みが取りづらい」という職場環境では意味がありません。人事担当者は社員が特別休暇を利用しやすくするための環境づくりを促進していきましょう。たとえば一緒に働く同僚や上長の休暇取得への理解や、休暇中に業務を引き継いでくれる人員の確保、あるいは特別休暇取得を経営者から勧めてもらうということが挙げられます。

社員にも企業にも、さまざまメリットのある特別休暇を効果的に取り入れられるよう、人事担当者は社員のニーズや意見を聞いたり、職場の環境を整えたりすることが大切です。

社員がモチベーション高く働ける環境づくりに、特別休暇の導入を

特別休暇の導入でモチベーション高く働く社員のイメージ

特別休暇の定義と種類、社内へ導入するための方法をご紹介しました。特別休暇は企業が社員に向けて、モチベーション高く働き続けてもらうための想いや工夫の詰まった休暇と言えます。ユニークな特別休暇を導入することで、職場の活性化を実現することが可能です。

 
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