緊急事態宣言が発令されて、早いもので1週間以上が立ちました。この宣言意向、従業員の声・不安を集めることができるGeppoへのお問い合わせは増加傾向にあります。我々としてもここが正念場と思い、なんとか企業社会に貢献できるよう日々尽力しているのですが、聞こえてくるのは経営・人事の皆様からの不安の声です。
政府からは「接触機会の8割削減」や「在宅勤務徹底」を呼びかけられていますが、その手段についてはなかなか触れられず、現場の我々が試行錯誤して一つ一つ実行していくしかありません。我々は後述するようにビジネスモデル的にもリモートワークにシフトしやすく、以前より準備はしていたため比較的スムーズにフルリモートに切り替えることができましたが、そうでない企業様のほうがむしろ多いのではないかと思います。
我々が提供する「Geppo」を導入頂いている企業様の中でも、これを機会にフルリモートに大きく舵を切ることができた企業もあれば、ビジネスモデルやシステム的な制約(主にセキュリティ)のため出勤を余儀なくされている業態もあり、その対応は様々です。
そのような環境下において、Geppo導入企業様やGeppoを検討して頂いている企業様から「Geppo(ヒューマンキャピタルテクノロジー社)はどのようにテレワーク、在宅勤務対応しているのか?」という質問を多く受けるようになりました。特段目新しいことををしているわけではないと思うのですが、実態を整理するだけでも価値がある情報になるかもしれないと考え、我が社の対応をまとめてみたいと思います。
※一般的なコミュニケーションツールについては「【在宅勤務促進・通勤回避対策】リモートワークで常備したいコミュニケーションツールまとめ7選」もご参照ください。
①テレワークの前提として
Geppoを提供するヒューマンキャピタルテクノロジー社は、HRテクノロジーを取り扱うSaaS企業です。工場も持たず、店舗もありません。オフィスは東京1拠点で、従業員は50名未満です。職種は半分が開発(エンジニア、デザイナーなど)、もう半分でCS・営業・マーケティング・人事総務を構成するというシンプルな組織です。お客様の業種は様々ですが、B2CではなくB2Bの業態であり、比較的テレワークがしやすい業態であると思います。
またHR、働き方というテーマを扱うビジネスでありますので、リモートワークのような新しい働き方を取り入れる気概は一般的な企業よりも強く、今回のCOVIC-19流行前から様々な準備はして参りました。
②もともと導入していたツール(と付随する制度)
まずは普段から利用していたツール群を紹介してまいります。ツールに合わせた制度が多いので、関わりの深いツールに沿って制度についても触れたいと思います。
●従業員のコンディションチェックツール:Geppo
当然ですが、Geppoを自社にも導入しており、従業員のコンディション変化をトラッキングしています。
実際今回のような大きな働き方の移行のタイミングでは、Geppoのスコアも大きく変化するもの。弊社人事がその変化を注意深くトラッキングしておりました(弊社はGeppoの調査結果を人事リーダーと代表の2名だけが閲覧できる権限を持っています)。
幸い、フルリモートへ移行後も大きな変化はなく、寄せられるコメントにおいても大きな不満はありませんでした。むしろ「フルリモートワークでも問題なく仕事ができている」と人事がホッとするようなコメントも寄せられており、在宅ワークを強力に推進する一助となりました。
実際Geppo利用企業でも、COVID-19関連の設問を設定したり、人事に求めるものを従業員に質問したりと、様々な使い方が見て取れました。環境が否が応でも変化する時こそ、定点でチェックすることが重要ですね。
●チャットツール:Slack
開発メンバーが過半数を締めるものづくり型の組織であり、またパートナー企業と仕事を進めることもあるため、チャットツールはSlackを創業当初から導入しています。
当初、就業時間中はオンラインステータスでいてもらうとか、仕事の開始と終了は投稿してもらうなどのルール化も検討しました。しかしながら、議論の結果、(性善説に立ち)特段フルリモートワーク時特有のチャットルールは弊社では設けませんでした。
一方で雰囲気として、いつもよりも返信を早くしよう、いつもより反応を返そうという雰囲気は現場から情勢されており、マネジメントとしては大変助かっています。
●ビデオ会議ツール:ベルフェイス
創業当初よりインサイドセールスを基本とした営業組織を構築しており、そのためのツールとしてはベルフェイスを採用しておりました。
現在では後述するようにzoomも使用しています。が、インターネット回線が不安定な状態では、電話回線を通して会話できるベルフェイスを重宝するシーンがあると聞いています。
●SFA/CRMツール:Hubspot
創業時は別のツールを活用していましたが、ここ2年ほどはHubspotを活用し、営業管理から顧客マネジメントまでを一気通貫で管理しています。
少し前まで営業の受注管理を会議+EXCELベースで行って来ましたが、今回のフルリモートをきっかけにほぼ全てをHubspotに移行し、できる限り多くの営業活動を可視化できるようにしました(当たり前なのですが改めて)。
●コラボレーションツール:Confluence(atlassian)
以前は別のコラボレーションツールを活用していましたが、現在のCTO就任以降はConfluenceに移行し、開発チーム・カスタマーサクセスツールを中心に活用しています。
情報の一元管理、進捗の一元化もリモートワークの第一歩ですね。
③今回を機に導入したツールや制度群
今回、改めて導入を決議したツール群を整理します。実はCOVID-19を契機に導入したものは少ない結果となりました。
●ビデオ会議ツール:Zoom
以前より無料版は個々人の判断で活用していました。
リモート環境下になり、営業(インサイドセールス)活動も自宅から行うようになったため、ビデオ会議・営業のツールの選択肢を増やすべく、zoomを有料契約しました。特に一人暮らしの部屋からアクセスする際は背景画面を変えることができるzoomは最適であり、「zoom飲み」を社内で実施する場合も色々と遊ぶことができるので、リモートワークに適したビデオ会議ツールだと感じています。
大型のマンションなどに住んでいる場合はリモートワーク増加による通信回線不良も危惧されたり、zoom自体を使うことができない企業様もいらっしゃるため、ダブルコストにはなりますが選択肢として電話ベースのベルフェイスと併存させています。
また「つながりっぱなしタイム」と称して、特段用事がなくてもみんながオンラインでつながっている時間を作りました。
その日の予定次第ではありますが、部署をまたいだ交流はなかなか生まれづらいこともあり、部署を超えた「雑談」を生み出す仕組みとしてトライしています。最初は終日zoomを開放し、好きなときにアクセスできるようにしたのですが、作業音を無駄に拾ってしまったり、下手な沈黙が逆に緊張感を作ってしまうこともあったので廃止して、現在の形に落ち着いています。
さらに「締め会」や「採用面接」も全てこれに合わせてオンライン化しました。
④フルリモート体制における壁と今後の課題
●フルリモート化における個々人のストレスマネジメント
フルリモート推奨期間から計算すると、弊社はすでにフルリモート期間が2ヶ月に達しており、久しく顔を(画面越しでなく)合わせていないメンバーがいたり、この間にも新入社員がいたりするため、徐々に心配事が増えてきています。
特に個々人のストレスマネジメント。日々家に籠もって仕事をすることはストレスを溜め込んでしまうことに繋がることは容易に想像が付きますし、一方でストレスを発散する機会の創出も難しい。
Geppoでコンディションチェックをしながら仮説検証を繰り返して、リモートワーク時代の新しいストレスマネジメントを研究・開発したいと思っています。こちらはアップデートがあり次第、別の形で報告をさせてください。
●生産性は本当に上がっているのか?問題
リモートワーク導入時は、通勤や無駄な会議などの「無駄な時間の削除」が行われるため、「生産性が向上した!」と感じることが非常に多いのですが、リモートワーク期間が長く続くと、
- そうした無駄な時間の削除に対する慣れ
- 合わせて削除された対面コミュニケーションなどのリアルな人間関係の不足によるモチベーション低下
上記のような問題がところどころで発露し始め、リモートワークが浸透してきたからこその対面コミュニケーションの重要性を実感しています。これをどこまでリモート状態で再現できるか。これについても引き続き仮説検証が必要そうです。
⑤まとめ
以上、若干とりとめもない感じになってしまいましたが、弊社のリモートワークにおける取り組みを、利用サービスの観点から整理してみました。
日々Geppo社内における発見や、Geppo導入企業様における対策事例も積み上がってきておりますので、それらについても別の機会に触れていきたいと思います。