Geppo_D2C_012000年にNTTドコモと電通のジョイントベンチャーとしてスタートした株式会社D2Cは、ドコモのメディアを中心とした広告事業の他、デジタルを活用した総合的なマーケティングコミュニケーションを軸に、広告運用、制作、イベント運営など、創業から20年に渡り幅広く事業展開し続けています。その一方で、組織が拡大するにつれて、従業員の現場把握が困難になっていたことや、画一的な人事施策では対応が難しいことが同社の課題となっていました。
Geppoの導入検討段階から携わる同社コーポレート本部 グループ人材開発部の關亦真衣(セキマタマイ)担当部長に、Geppoの活用を通じて得られた気づきや発見、どのように課題の解決に至ったか、また、コロナ禍における有用性まで語って頂きました。


D2C_事例サマリ

■Geppoの導入目的は人事が経営と従業員を繋ぐ架け橋でありたいから

Geppo満田:Geppoを導入した背景について教えて頂けますでしょうか。

關亦様:当時、従業員数が増え、経営も人事も現場を把握することが困難になりつつありました。人事としては従業員と年1回の人事面談を実施していましたが、頻度やリソースの限界もあり、経営、人事、現場の距離感が遠くなっている実感がありました。
また、「入社3年目の頃は皆同じ課題を持っている」といった画一的な課題認識そのものが難しくなり、従業員の目指すことや価値観が個別化していく中にあって、画一的な施策は「人事よがり」や「押しつけがましさ」があり、不十分とも感じていました。
そんな時にGeppoと出会い、活用次第で効率的且つ効果的なコミュニケーションツールになり、人事が現場の声を収集し、課題を把握することができるのでは、と思いました。
また、経営への人事施策の提案や、経営からの課題提起に対してFACTベースで回答を提示できるのではと期待して、導入を決めました。

■従業員一人ひとりの状態を把握することで様々な発見がある


満田:Geppo導入後、どのように運用されているのでしょうか。

關亦様:毎月の従業員の回答率は85~90%で推移しています。平均的にはGeppoアラートが10~15%程度発生し、「アラートで気になった人」と「アラート外でも気になった人」を中心に人事面談を実施しています。またGeppoに寄せられたコメントにメールで返答もしています。導入初期の頃は、Geppoを根付かせるために、メール返答なども力を入れて運用しました。
従業員の回答結果において、「仕事」「人間関係」「健康」というGeppoの3問のなかでも「人間関係」を一番重視していますので、毎月の変化を確認し、フリーコメントでも人間関係に関するコメントを重点的に注視しています。

人間関係を重視することに至った理由は
「D2Cグループの一番大事なものは“人”である」
「一緒に働く人の関係が仕事の質や成果に比例することが弊社利用の組織サーベイでも確認されている」
という2点からです。
回答内容の閲覧について、グループ人事内のGeppo担当者が全従業員を閲覧、部門人事は部門配下の従業員分を閲覧という運用体制とし、人事内に閉じています。

満田:面談では、従業員からどういった相談があるのでしょうか。

關亦様:キャリアの相談、上司との関係性、組織改善提案など多岐に渡ります。
ある従業員は、人間関係でいつも「晴れ」や「曇り」を付けていましたが、上司が変わった後に「雨」に変化しました。早急に人事面談を実施し、対応することで改善できましたが、Geppoがなければ気づけなかった“届きにくい声”の存在を実感しました。

満田:他にGeppoでの発見や気づきはありましたか。

關亦様:ある役職において、その役職で長く仕事をすると仕事満足度が低スコアになりやすいことも発見できました。人事としては研修メニューの見直しなどを実施し、改善に向けた施策を打ち始めています。“従業員一人ひとりの状態を把握する”という目的で導入したGeppoでしたが、属性における共通課題の発見にもつながりました。Geppo_D2C_02

■人事仮説の抽出・検証、そして導入された制度への従業員の反応も把握できる


満田:毎月自由に設問を設定できる4問目の活用についてお聞かせください。

關亦様:人事が課題認識をしていた特定年齢層の離職に対して、
・他部門、他グループ会社の業務やキャリアに関する機会があれば聞いてみたいか?
・異動したい部署(会社)やチャレンジしたいキャリアはありますか?
・仕事でチャレンジしたいこと、学びたいことは何ですか?
といった設問を設定し現場の声を集めたところ、D2Cグループでも実施できることがあることがわかりました。
そこで人事施策として、
・グループ会社横断のコミュニケーション
・グループ会社間異動
の機会提供を開始しました。これまでグループ会社間の異動は多くなかったので、従業員のキャリアに対し施策が打てたことは大きな一歩となりました。

4問目の活用は他にも多くありますが、主に従業員一人ひとりの特徴や考えなどを収集し、経営課題に対する従業員の声として、人事の仮説抽出や検証に利用しています。


満田:他データと組み合わせて、Geppoをご活用されているそうですが、どのように活用されているのでしょうか?

關亦様:弊社が利用している組織サーベイとGeppoのデータを組み合わせた1つの活用例となりますが、組織サーベイでは「働き方・働く環境」が全体としてスコアが低く、人事として課題認識がありました。もともとこの部分については課題を感じていたので、リモートワークをトライアルで実施していましたが、今年3月から感染症対策としてリモートワークを必須としました。「働き方・働く環境」が大きく変化したこのタイミングでも、在宅業務の課題把握や体調などに重点を置いて活用していき、役に立っております。

また、あるタイミングで経営からリモートワークにおけるフレックス勤務制度の導入を検討してほしいという依頼がありました。現在は、トライアル実施の利用調査を経て、いよいよ本格的に制度導入というフェーズになっています。この利用調査における一連の状態把握や声の収集はGeppoが担っています。環境変化ということもありましたが、制度が従業員にとって有益ということが分かり、経営の意思決定にもFACTベースで提示できたことは、理想の形に近づいているといえます。

満田:他に運用面で強化されていることはありますか?

關亦様:月初に従業員の回答が開始され、2週目に人事にて全件読み込み、面談などの対応をしつつ、4週目に人事にて対応結果などの情報共有会を行っています。この情報共有会で使用する面談対応結果は、Geppoの“対応管理機能”を用いて記録したものです。これら一連のフローが人事チームにおける共通情報・認識となり、人事チームのパフォーマンス向上にも一翼を担っていると思います。
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■個別化していく課題に対し、従業員一人ひとりを理解し、最適な打ち手を実践する


満田:改めて2年半ほどの活動の感想・成果を教えてください。

關亦様
定性的な成果としては、
「限られたリソースでも従業員の状態、声、情報を収集できる」
「従業員一人ひとりに合わせたスピーディーなアクションを実施できる」
「人事チームが共通認識を持って対応することでパフォーマンスが向上し、
人事施策の経営への提案、経営課題へのFACTベースの回答提示に繋がっている」
という点が挙げられます。従業員との距離が物理的に離れてしまったコロナ禍においても、見えにくい変化や届きにくい声を知ることができるGeppoは本当に役立つツールだと考えています。
定量的な成果においては、組織サーベイのスコアは改善し、Geppoの人間関係の項目も改善という結果となりました。また、定量的な数値で言うと、離職率の改善にも表れています。弊社の離職率は元々高くなかったため、Geppoの導入で解決すべき項目ではなかったのですが、嬉しい誤算となりました。

今後、更なるGeppo活用については、例えば、人によって天気の意味合いが違うため、4問目を積極的に活用することや、各項目の平均値ではなく、お天気の割合の変化を時系列で確認することで、組織のコンディションを把握することにもチャレンジしていきたいと思っています。

 

 

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