約550名の直雇用者を抱える株式会社LegalOn Technologies様は、組織サーベイを戦略的に活用し、従業員エンゲージメントの向上と組織課題の解決に取り組んでいます。2024年1月と6月、12月にGeppoで組織サーベイを実施。サーベイ結果を基に、課題の発見、打ち手施策の検討・実施を行っています。また一部施策に関しては執行役員に担当を割り当てることで、それぞれが責任感を持って施策を実行。従業員にも結果だけではなく、打ち手の内容を共有することで、透明性の高い組織運営を目指しています。今回は、同社人事部門の射手矢様にお話を伺いました。
<目次>
- Geppo導入のきっかけ
- 組織サーベイ実施の印象
- 組織サーベイ実施後の共有について
- 求める人材像
1.Geppo導入のきっかけ
―――Geppoを導入いただいたごきっかけをお教えください。
射手矢様:システムを利用しての組織サーベイ自体は2022年4月から他社のサービスで実施していました。1年半ほど導入していましたが、費用面とサーベイ実施後の打ち手実施に課題を感じていました。
特に打ち手に関しては、コンサルティングが入ってくれていたのですが、弊社のような変化の激しいベンチャーでは長期的な計画に沿って打ち手を実施することが難しく、コンサルティングのサービスを最大限に活用することができておりませんでした。弊社の状況にマッチするサービスを探す中で弊社CHROが以前Geppoを利用していたこともあり、導入に至りました。
―――Geppoにリプレイスするにあたって、何か壁はありましたか。
射手矢様:特になかったです。費用や設問数が減る一方で必要な設問は網羅されており、回答する従業員の負荷と課題の発見のバランスが良さそうだと思いました。
射手矢様
2.組織サーベイ実施の印象
―――Geppoを導入いただき、実施いただいた印象はいかがだったでしょうか。
射手矢様:まずは設問がまとまっており、UIに関しても分かりやすいです。
回答率に関しては、他社ツールを使用していた時から95%を目標にしておりました。
両ツールの回答率は98%程度でしたが、Geppoの方が未回答者へのリマインドが少なく、スムーズに回答いただいた印象です。結果のレポートに関してはGeppoを利用されている企業の中でも日本標準産業分類の大分類、中分類比較を出していただけるのが参考になりました。
結果そのものは他社サービスと同様の結果が出ていたので、把握したい設問が集約されていて、かつ答えやすいのは非常に良いと感じています。また、回答内容に関しては、経営陣や人事に対しても忖度せず意見を言いやすい社風なので、皆さんに率直に回答いただけたかなと思います。
実施後に関しても、Geppoは結果の分析・共有の対応が非常に早く、役員や全社への共有、また打ち手の検討等までスピーディーに進めることができました。
3.組織サーベイ実施後の共有について
―――Geppoの回答結果は役員にはどのように共有しているのでしょうか。射手矢様:サーベイの結果が出たら約1か月以内に執行役員陣との対応議論を行います。
執行役員に対してですが、Geppoとの振り返りミーティングにも参加していただき、強みと課題の両方を認識してもらいます。その後社内会議を行い、強み・課題の理由や従業員に打ち出す内容のすり合わせをしていきます。
執行役員陣との対応議論のイメージは次の通りです。
- ゴール
>次回サーベイ実施までの重点対応事項について合意されている
>今年度対応すべき事項と、担当する執行役員について合意されている
>担当の役員が今後改善に取り組める状態まで、各領域の対応方針が合意されている - アジェンダ
>課題感について詳細把握
>対応すべき事項について議論
◇追加の施策検討は必要か
◇優先順位を議論
◇今回新たに明らかになった課題
>各対応の担当執行役員の決定
人事側から高スコアと低スコアの課題仮説をそれぞれ出して、それに対して議論します。
何に対して優先度を高く進める必要があるのか、会社の文化として変えられないもの、変えるべきでないものに対してはそのままにするという決断もあり得ます。
そういった議論の時間を取ることで執行役員に強みと課題の両方を把握していただき、施策の一部に関しては、打ち手を実行する役員を決めています。
施策ごとの担当役員を決めることで、全員が責任感を持って同じ方向に進めることができております。
―――執行役員への振り分けはどのように行っているのでしょうか。
射手矢様:まずは行う施策に対して関係性がある役員へ振り分けます。例えば経営戦略の落とし込みは、CFOが担当する方がスムーズというのもあるので、カテゴリーに分けてそこに関係する担当役員を振り分けるようにします。
そこから進捗確認は定期的に会議で行うか、執行役員と会話するタイミングで確認するようにしています。
―――執行役員の方がサーベイの実施や組織改善への意識醸成について、人事からの働き掛けによって高い状態なのでしょうか。
射手矢様:それぞれが各事業部門を管掌しているので、組織的な課題の解決に対して元から前向きではあります。これに加えて担当を振り分けることで進捗に責任が発生する状況をつくり、当事者意識を醸成しています。「やらされている感」で進まないよう、巻き込み方を工夫していますね。
―――フリーコメントの分析についてですが、どのような点に着目されているのでしょうか。
射手矢様:全社としては網羅的に全件の内容を確認しています。また、組織別では部署でコメントの内容に偏りがないかは気にしています。
例えば特定の部署において『仕事の量が多い』といった意見が集中している際に、現状の組織の実態を確認したり、『他部署との連携がスムーズにいかない』という意見が多い場合は業務フローに問題がないかなどを部門長に確認したりしています。
―――組織的な課題に関してはどのように進めていただいているのでしょうか。
射手矢様:弊社の組織は2階層で、課に相当する組織が細分化されています。
全てに対して打ち手を実施するのは難しいので、まずHRBPを中心にどの部署を重点的に対応するかを協議します。その後、それぞれの部門長とHRBPでコミュニケーションを行っていくという流れになります。
―――従業員へのフィードバックについてはどのように行っているのでしょうか。
射手矢様:従業員に対してはこれまでの内容を踏まえて、以下内容をフィードバックしています。週次の全社定例の場で全社員に対して、会社全体のスコアと課題の項目、今後のアクションを説明するようにしています。こちらも配信終了から約1か月以内に実施します。
共有している内容は次の通りです。
<共有内容>
- 組織サーベイの概要
- サーベイ結果
- 全社結果
- 前回結果
- 自社の強み因子とその理由、行った施策
- 自社の課題因子とその理由、行っている施策と実施予定施策
- 今後のアクション・次回サーベイ実施スケジュール
自分たちのお尻を叩く意味でも、従業員にも実施予定の施策やスケジュールを共有しています。
4.求める人材像
――貴社で求めたい人材はどういった方になりますでしょうか。
射手矢様:弊社が掲げるパーパス「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」に共感いただける方でしょうか。
例えば新しい事業を企画して進める場合、法規制を理解していなければ後々トラブルになるといったリスクがあります。また、昨今コンプライアンスやガバナンスの強化の重要性が増しており、企業は今後ますますリスクマネジメントが求められるでしょう。しかし、人手不足が深刻化している今では、業務量の逼迫によりリスクマネジメントに十分なリソースを割くことが難しくなっています。
こうした課題に対して、当社では弁護士による法的知見とテクノロジーを組み合わせて、法務業務をAIで包括的に支援するサービスを開発・提供しております。また、リスクマネジメントは法務以外の部署にも必要であるため、弁護士や公認会計士などの専門知識が搭載されている管理部門向けのAIサービスも提供しております。
人材不足が深刻化した今、これらのテクノロジーの活用でリスクマネジメントを支援し、様々な会社の未来を創る後押しとなるサービスの提供に魅力を感じてくれる方を求めていきたいと考えています。
―――本日は大変貴重なお話ありがとうございました。