2022年4月よりGeppoを導入し毎月の個人サーベイとともに、半年に1度組織サーベイを実施。
会社の変革期にて活用し、両サーベイに対しての打ち手として、今まで直接の接点が少なかった役員を全体管理者に置き、役員からのアクションを行ったところ、eNPSスコアの改善を実感。
その運用や eNPSスコアの改善要因、追加質問の使い方など株式会社アイクコーポレーション 藤岡 卓様にお話を伺いました。
1.Geppoを導入されたきっかけ
2.現状の運用体制
3.Geppo活用効果、象徴的な事例
4.今後の展望と求めたい人材について
1.Geppoを導入されたきっかけ
―――Geppoを導入いただいたきっかけを教えてください。
藤岡様:まず個人サーベイの目的としては、タイムリーな問題把握と早期解決になります。
会社としての大きな変革期を俯瞰してみたときに、従業員が口に出せない不安や不満を抱えているのではないかと、私の肌感で感じていました。
そのため、不安の解消と伴う離職のリスクヘッジを目的に導入しました。
組織サーベイの目的は、従業員から経営陣に対する通信簿的な部分や、組織に対する意見要望、組織自体の強み、弱みを把握をするために活用したいと思いました。
―――Geppoに決めていただいた理由はどういったところにあったのでしょうか?
藤岡様:弊社の目的と機能が完全に合致したことが理由です。
また、こういったアンケートは回答に手間がかかり、継続性が失われてしまわないかの懸念がありましたが、Geppoでは機能自体が非常にシンプルな為、回答者の負担が少ないのもいいと思いました。
―――導入にあたって壁に感じた部分はありましたか?
藤岡様: 正直、当初役員間ではあまり導入に積極的ではありませんでした。
従業員から様々なコメントが入り、すべてを受けないといけないのではという懸念が理由です。
ただ、いろいろな意見が出ることが、まずは会社全体のオンボーディングに必要だということや、離職においても「会社と従業員双方が納得していない離職」を減らしていきたいということ、そのために必要な問題の事前把握とその活用方法を提案しました。
加え、日頃お世話になっている外部のキャリア支援の方にも導入可否の相談をし、大いに賛同いただいたのも導入の後押しになりました。
従業員には、全体会議の場で「よりよい組織運営をするうえで皆さんの意見を参考にしたい」と周知し、運用を開始しました。
導入後は社長も積極的に参加し、活用する上で効果を実感してくれています。
2.現状の運用体制
―――現状の個人サーベイの運用体制を教えてください。
藤岡様:現状は約100名(23年6月現在)に対して実施しております。管理者は社長と私を含めた役員の4名になります。
基本的に私が管理責任者となり、1日の配信から1週間後程度でまず未回答者の確認と催促を行い、10日前後にはすべて回答が集まっている状態にします。
15日前後のタイミングで毎月役員間で定例を行い、誰がどの従業員の話を聞くかを決め、各対象者とコミュニケーションを取っております。
基本各部門の担当役員が対応していますが、打ち合わせの中で、担当役員以外が対応した方が良いと判断するケースもあります。
―――回答に対しての対応基準はどのように設けていますか?
藤岡様:当然アラートやスコアは対応をしておりますが、コメントに注目し、入力してくれた従業員にできる限りコミュニケーションを取るようにしています。
ネガティブなものだけでなく、ポジティブなコメントに対しては感謝のコミュニケーションを取るように心がけています。
ネガティブな回答ばかりに目が行きやすいですが、ポジティブな回答も気にかけることは大事なポイントだと思っています。
―――組織サーベイはいかがでしょうか?
藤岡様:組織サーベイは4月と10月の半年に1回の頻度で行っており、現在までに3回実施しました。
組織サーベイはeNPSや勤続意向の設問があるので、経営陣からすると特に注目するポイントになっております。
説明因子では、体制変更のタイミングにおいては経営方針や事業戦略の理解もチェックポイントになります。
2週間の回答期間で実施し、サーベイ終了後にいただいたレポートを基に、個人が特定できない全社や組織平均を各組織GMに共有し、従業員には回答率や多かった回答などをフィードバックしております。
組織の良い点、課題点をGMに共有し理解してもらうことはとても重要だと思っています。
3.Geppo活用効果、象徴的な事例
―――これまで両サーベイを実施いただいて象徴的な事例はありますか?。
藤岡様:個人サーベイでは、これまでアウトプットの場がなかったので、従業員から相談事がある場合、Geppoに書き込むことで担当役員が話を聞いてくれることが浸透しました。
誰が管理者なのか浸透しているので、コメントが書きやすい状況となり風通しが良くなったことを実感しています。
具体的なところでは、健康面のスコアがなかなか上がらなかった為、他の従業員の意見を参考にできないかと、追加質問で「どのような対策を行っているか」設定して聞いてみることにしました。
その中で、ジムやウォーキングなどといった取り組みを世代別に集計して展開し、健康が気になっている方へ、取り組むことの重要さを伝えています。
今後はこういった、考えている施策の事前アンケートのような活用ができると考えております。
組織サーベイでは、3回実名実施した結果、上司や同僚の関係性がすべて高スコアだったので安心しました(笑)
そしてeNPSのスコアが良くなっていることが数値にも出ております。
組織サーベイの結果から、研修制度の拡大をしたり、新サービスを検討するプロジェクトを発足したりなど、全社としてより多くの機会を提供できたのは良いポイントです。
次回の組織サーベイでは、スコアが低い設問への施策検討を進められればと考えております。
―――Geppoを活用するメリットを教えてください。
藤岡様:個人サーベイではタイムリーに問題が把握できること、組織サーベイでは従業員が会社のことを俯瞰して見る機会があることです。
個人サーベイは毎月その瞬間に起こっていることに対してアクションができるので、遅れてしまっていたら大きな問題になっていた可能性を早めに対応することができますし、
組織サーベイは半年に1度eNPSの設問から、改めて外から見てどうか、一人ひとりが組織の当事者としてどのように考えているのかを知るよい機会になっており、
従業員が当事者意識をもって真剣に回答してくれているので、スコアにもはっきりと出ております。
4.今後の展望と求めたい人材について
―――Geppoを今後どのように活用していきたいとお考えでしょうか?
藤岡様:両サーベイの追加質問を有効活用していきたいです。
今後計画する取り組みや施策に対しての温度感を事前に把握することと、当社で感じている課題点に対して、定量化されたデータをエビデンスとして改善に役立てていきたいと考えております。
また、既存の従業員だけではなく、新しく採用した新入社員からも声を聞ける環境は継続していきたいです。
―――今後の採用についてですが、そのような人材が貴社に合うとお考えでしょうか?
藤岡様:2つあると考えております。
1つ目は弊社では「チェンジをチャンスに」とよく言っているのですが、変わることを前向きにとらえることができると良いと考えています。
特に弊社で今力を入れているDXの取り組みで様々なことが変わってきています。
変化に対して足踏みをしている状態になってしまうと取り残されてしまうので、ともに進み続け、変わることに対する喜びや楽しさ、やりがいを感じる方がマッチしやすいと考えています。
2つ目は協調性で、チームで仕事をする中で仲間の助けになることを率先してできる、ホスピタリティのある方がマッチしやすいと考えています。
―――本日は大変貴重なお話ありがとうございました。