2023年6月からパルスサーベイとエンゲージメントサーベイの両方を実施いただいている茨城いすゞ自動車株式会社経営企画部様に、従業員向けの回答者フィードバックを含めた普段の運用と、サーベイ結果をどのように経営意思決定に活用しているのか、お話を詳細にお伺いしました。
回答者フィードバックの有用性や、サーベイ実施後の活用方法について、HRサーベイの導入を予定している企業様や、運用について不安のある導入企業様にとって非常に有用な事例として紹介させていただきます。
- Geppoパルスサーベイの運用状況
- 組織サーベイについて
- 今後の展望
- 求める人材像
1.Geppoパルスサーベイの運用状況
―――まずはGeppoの運用概要とアラート対応フローについて教えてください
ご担当者様:2023年6月からパルスサーベイを400名弱の全社員向けに実施しており、組織サーベイは実名で同年12月に実施しました。弊社独自のルールとして「回答締め切り期限」を設けており、配信日から1週間強で毎回アナウンスをしています。また、配信方法については社内コミュニケーションツールとして普及しているチャットを活用したいと考えたためメールアドレスは登録せず、チャットベースでの配信開始案内やリマインドを実施しており、リマインドは回答締め切りまでに約3回(うち1回は組織長向けのアナウンス)実施しています。
―――導入当初から比べて回答率が上がってきておりますが、どのような背景がありますでしょうか
ご担当者様:大きく二つあると考えており、一つ目は継続的に実施することで回答の習慣化が進んだこと、もう一つは回答結果のフィードバックを行うことによりGeppoへ回答することが従業員にとってメリットがあることが浸透したことだと考えています。特に毎月実施している従業員向けフィードバックについてはパワーポイントにまとめて展開しており、回答率・3問のスコア・4問目の追加質問集計に加え、サーベイコメントに対する回答を副社長自らが行うことで、経営方針の浸透に向けた補完機会としても有用に働いているのではないかと考えています。ネガティブコメントやポジティブコメントを織り交ぜながら、従業員が気になっていることや社内制度に関する提言等について打ち返しを全体向けという形で実施することにより、回答者側の興味関心を寄せ、その結果として現在では配信日当日の段階で自発的な回答率が50%超になっています。
―――全体向けフィードバックに対して、個別のアラート対応についても教えてください
ご担当者様:率直な回答を集めることを目的に管理者権限を集約しており、アラート対応については部長と非常勤顧問(元役員)の2名体制で行っています。ただ、今後については対象者が気楽に話せるよう非常勤顧問に一任することを検討しております。非常勤顧問については営業畑を経験してきたこともあり、現場への深い理解やコミュニケーション能力の高さを持ち合わせていることに加え、回答者目線では斜め上の立場に当たる方でありアラート対応に適任であると考えています。
―――Geppo導入の効果を実感したタイミングはありますか
ご担当者様:パルスサーベイを毎月実施する中で2024年1月にスコアが上昇したことをきっかけに休暇の重要性を再認識した時でした。サーベイ結果と考察を踏まえて経営会議にて報告を行い、実際に年間休日を従来から8日間追加し、Geppoの結果を制度改定へインプットできたときにサーベイをやってよかったと感じました。
2.組織サーベイについて
―――パルスサーベイと併用いただいている組織サーベイについて効果実感を教えてください
ご担当者様:普段からパルスサーベイで従業員のコンディションや課題感を把握しているため、組織サーベイのみで新たな気付きというものはあまり多くはありませんでした。一方で、仮説として持っていた組織別・職種別の課題について定量的に測ることができたため施策への反映の後押しとなったことが大きな成果だと感じています。実際に定量的な結果を基に組織構造の見直し等も実施できております。また、経営レベルにおいては課題のある組織の認識を揃えることでき、トップマネジメント層への意識付けにも寄与したのではないかと考えています。
―――パルスサーベイと組織サーベイを併用して、感じたことはございますか
ご担当者様:パルスサーベイと異なり個人に焦点が当たっていない設計のため、パルスサーベイではあまり自己開示しなかった従業員についてもより詳細に状況を把握することができたという点でも組織サーベイを併用実施して良かったと考えています。どちらも実名実施ではあるもののパルスサーベイだけでは足りないところを組織サーベイが補ってくれるので、運用設計により取りこぼしがない情報収集ができました。そこに向けては5段階スコアリングで簡単に回答できるという設計も寄与しているのではないかと考えています。
3.今後の展望
―――Geppoに関連して今後の展望を教えてください
ご担当者様: Geppoを導入した背景として、「ミッションビジョンを実現するためには顧客価値を高める必要があり、そのためには従業員エンゲージメントや従業員満足度を向上させることが重要である」という考えを持っています。そのため会社の業績とGeppoスコアが相互補完的に比例して上がっていくことが重要だと考えています。そのため継続的に業績向上を狙いながらも横目でGeppoスコアに着目し「従業員がイキイキと働けているか」を見続けることが重要だと考えています。また、約1年間Geppoを活用する中で目先の課題解決が出来るようになったと感じている一方で、従業員の声として上がってきた中長期的な課題を改善するためのPDCAサイクルを回せるように、更に運用を加速していきたいと考えています。
4.求める人材像
―――最後に、今後貴社が求めたい人材像を教えてください
ご担当者様: 大前提として弊社が定めている「私たちの想い|茨城いすゞ自動車株式会社 (ibaraki-isuzu.co.jp)」に共感いただける方がカルチャーフィットするのではないかと考えております。そのうえで全社としてもGeppoの結果を確認しながら常に社内制度や施策を柔軟に変更し実行しているため“変化・進化を前向きにとらえチャレンジしていく”ことができる人が社にマッチするのではないかと考えています。
参考:茨城いすゞが大切にする「ビジョン」、「ミッション」、「7つのこだわり」といった価値観をイラストとストーリーで表現したカルチャーブック ※企業HPより掲載
―――本日は貴重なお話ありがとうございました。