カテゴリー: Geppo導入事例

ARISE analytics-001-1国内最大規模のデータと最先端のデータ処理・分析技術を有するデータサイエンティスト集団「ARISE analytics」。2017年に立ち上がり、急成長する同社のジョイントベンチャーならではの組織課題に対して、Geppoをどのように活用をしているのか、お話を伺いました。

■AS IS思考とTO BE思考。異なる考え方を持つ2社によるジョイントベンチャーが抱えていた組織課題とは

渡邊:まず貴社の設立背景や現在の人員構成について教えて下さい。

佐々木様:当社は2017年に設立されたKDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーで、データアナリティクスを生業としているソリューション企業です。このような成り立ちなので、一般的な事業会社と異なり、立ち上げた当初はARISE analyticsとして採用していた正社員は一人もおらず、両親会社の人材を派遣してスタートし、事業が軌道に乗り出したタイミングから独自の採用を開始しました。

現在ARISE analyticsの業務に関わってくれている従業員は全部で450人ほどにのぼり、その中でARISE analytics籍の正社員が60人、さらにそのうち50人がデータサイエンティストという、少し特殊な組織構成になっています。

渡邊:我々もリクルートとサイバーエージェントのジョイントベンチャーとしてスタートし、同じように両社から社員を派遣しあってスタートしたのですが、ジョイントベンチャーに特有の課題などはなかったのでしょうか。

佐々木様:立ち上げてからすぐのタイミングでは課題だらけだったと思います。いわゆるマネジメント陣はある程度社会人経験もあるので話し合いの中で認識を合わせることができたと思いますが、事業会社とコンサル会社では仕事に対する考え方が全く異なるんですね。したがって、最初は現場はやりにくかったと思います。

コンサルタントは「こうあるべき」というto be思考で考えますが、事業会社はas is(今の姿)から考えるので、そうしたアプローチの違いからたくさんの課題がありましたね。

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     Chief Workstyle Officer  佐々木 彰様

■ジョイントベンチャーならではの独自の育成制度とその考え方


渡邊:そうした課題からでしょうか。佐々木様の肩書は「Chief Workstyle Officer」ですし、他にも「ARISE university」など貴社に独自の人事制度、考え方があるように見えます。

佐々木様:そうですね。例えばARISE universityについて取り上げてお話します。これもジョイントベンチャーの特徴かもしれませんが、ARISE analyticsは設立当初、KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーで、テーマが「データサイエンス」ということもあり、多くのメディアに取り上げていただきました。しかし、設立直後は実態のないただのスタートアップですから「本当に成果を出せるのか?」という懐疑的な目もあったと思います。そうした危機意識もあり、設立から1年は成果と向き合い、本当によく働きました。

一方で、目の前の仕事に一生懸命になりすぎると、技術のトレンドを追う余裕もなくなってしまいます。データサイエンスの領域は本当に日進月歩で、どんどん新しい技術が登場してくる。目の前の仕事を同じ技術で対応しているだけだと、技術レベルに偏りが出てしまい、短期的には良いが、中長期的なスキル成長は見込めなくなってしまいます。つまり短期的な成果という意味では一定のアウトプットが出せていましたが、中長期的な未来への投資ができていないという点で、経営陣としても課題意識を持っていました。

そこで業務時間外の自由意志による独学に委ねるのではなく、業務時間中にしっかり学んでもらえる時間(金曜日の午前)を確保して、そこに研修などを盛り込むようにしました。


渡邊:素敵な取り組みですね。データサイエンティストの採用は非常に難しいと聞いているので、こうした取り組みは大切ですね。

佐々木様:データサイエンティスト市場はとにかく人手不足で、データサイエンティスト自体は非常に人気の職種となっています。それこそ事業会社もコンサルもメーカーも欲しい人材で、非常に競争が激化している。

その中で後発の我々のような企業が優秀な人材を獲得していくのは至難の業と言えます。知名度もビジネス的な実績もない状態での採用はかなり難しかったですね。エージェントを活用して募集をかけたりもしましたが、なかなかうまく行かなかったのが正直なところです。

その壁を突破するために、内部の育成環境を整え、採用する層も若手のポテンシャルのある人材に絞り、いち早く現場のリーダーとして活躍できるように育てていく、という方針に舵を切り直しました。この方針に切り替えてからはうまくいくようになり、当時同じような採用手法の企業も少なかったため、これが勝ちパターンになりました。

渡邊:異なる背景、人材に対する考え方のあるジョイントベンチャーにおいて育成文化を創っていくのはなかなか難しいと思いますが、そのようなことはなかったのでしょうか?

佐々木様:弊社の出資比率はKDDI85%:アクセンチュア15%なのですが、人員構成は逆転しており、現場はアクセンチュアカルチャーに近い仕上がりになっています。アクセンチュアはコンサルティング企業ですから、人材こそが資本。育成思考は元来高く、あまりその意味では苦戦しませんでしたね。

育成すること自体も仕事の一つとして認識してもらい、事業で成果を出すだけでなく、会社作り・人材作りも皆さんのミッションだよ、と問いかけていき、今では評価軸にもなっています。

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■ジョイントベンチャーだからこそ必要な実名制サーベイとその運用


渡邊:話を切り替えて、Geppoについてお聞かせください。改めて導入の背景はどのようなものだったのでしょうか。

佐々木様:上述したように、少なからずジョイントベンチャー特有の組織課題、人間関係における課題は起きており、当初から問題視していました。最初は1on1で声を吸い上げるなどして対応をしていたのですが、どうしても拾いきれない声があった。事業が拡大するにつれて社員の人数も増えて、マネジメント層が社員一人一人の状況を把握することが困難になる場面が出てきました。

そこでこうした声をきちんと定点観測をしたいと思ったのが、導入の大きな理由の一つです。

また、当社ではエンゲージメントサーベイを別途半期に一回、匿名性でやっていました。組織の診断を目的としてやっていたものですが、そこで可視化されてくる課題に対して、より現実的な分析をしようと思うと、バイネームかつ短い間隔で把握する仕組みがほしくなってきます。

そういうニーズからサーベイツールを探しており、Geppoに出会いました。

渡邊:匿名性のサーベイをしていると、やはり具体の部分が曖昧になってしまうので、実名でのサーベイが欲しくなりますよね。

佐々木様:そうですね。当時もエンゲージメントサーベイを実施して、気になる所があれば追加のアンケートをバイネームで取る、さらにアンケートに答えてくれた人にヒアリングしにいく、など解像度を高める努力をしていたりもしました。しかしながら、現場のメンバーからすると、とても負荷がかかってしまう。エンゲージメントサーベイでたくさんの項目に回答し、追加のアンケートに答え、さらに追加のヒアリングを課せられる。会社としては良かれと思ってやっているわけですが、現場も人事も両方の負荷が高くなってしまいます。

そこで、手軽に負荷なくピンポイントで解決すべき課題を把握したい、これもGeppoを導入した背景の一つです。

渡邊:GeppoはARISE analytics独自で採用している正社員のオンボーディングなどにも役立てて頂いていますか?

佐々木様:新入社員と1on1をしていると、人によって対応が異なることに気付かされます。最初からよく話してくれる人もいれば、少し牽制してくる人もいる。人事からすると、本当に大丈夫かな?と思うこともしばしばあるわけです。そういうところをフォローする役回りとしてGeppoは有効だな、と思います。

人ではなく、ある意味無機質なシステムによる定期的なヒアリングだからこそ拾い上げられるんだと実感しています。

両社から派遣されてくる社員は、仮に何か組織課題、人間関係に問題を抱えていても、究極的にはそれぞれの本社マネジメント機能でケアできる状態にありました。しかしARISE analytics独自の採用で入社してくれた社員たちの人間関係は0から始まるわけですから、このあたりのケアにはとても役立っていますね。

渡邊:なるほど、そうしたフォローをどのような体制で運営なされているんですか?

佐々木様:基本的にはメイン担当が1名つき、閲覧権限も人事の限られたメンバーに限定してGeppoは運用しています。

月に1度、Geppoや勤怠システムの情報から従業員にテーマを絞ったマネジメントMTGが開催されているのですが、そこに向けてGeppoのデータを集計し、レポートを提出してもらっています。

マネジメントMTGではそのレポートを元に対応を検討し、アクションを決めて実行し、その進捗を確認する・・・というサイクルを回して運営していますね。ここでは一人ひとりのステータスを把握して、一人ひとりに対するアプローチを考えています。

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     Corporate Division / HR  野月 幸介様

■ARISE analytics社におけるGeppoの具体的な活用法


渡邊:実際効果の程はいかがでしょうか?

佐々木様:繰り返しになりますが、設立当初から成果に向き合い事業成長をしてきました。Geppoはその成長の過程で生まれてくる課題にきちんと対応していきたい、という目的から導入をしていたので、課題発見→検討→解決まで実施した事例はたくさんあります。

もちろんすべての課題を解決できたわけではありませんが、ある程度個々人の状態が可視化されているとアプローチがしやすいですし、打ち手が打てているという安心感もあります。

高橋(Geppo):貴社では独自のアラート基準を設けていると聞きましたがそのあたりはいかがでしょうか。

佐々木様:4問目はいつも同じ設問(「チームから評価されていると思いますか?」を天気図での回答」)にしており、それも含めて独自基準を設けてマネジメントしています。特にコロナ禍において、自身の仕事がチームの役に立てているかどうか、ということは非常に重要な指標なので設定しています。

他にも「未回答」の人は注視するようにしていています。Geppoは月に一回のものなので、未回答が1回あると、まるまる2ヶ月分の状況が把握できなくなってしまいます。そこで必ず実施しているというわけではありませんが、未回答の方には必要に応じて追加でヒアリングするなどはしていますね。

実際「なぜ未回答なのか?」を聞いてみると、本当に忙しくてGeppoに回答することができなかっただけの方もいますし、やはりなんらかの課題を抱えていた人もいます。答えない、ということ自体がなにかのメッセージだと考えています。こうした丁寧なケアも続けていきたいですね。

渡邊:他にもGeppoを活用した効用はありましたか?

佐々木様:他にも取り組みにつながったところでいうと、Geppoには、教育制度の一貫としての書籍購入の仕組みの導入や外部の研修への参加方法などの質問も人事に対してたくさん寄せられてきており、そうした質問に対してはできる限り早く返信をするようにしています。

そういう意味では、会社と従業員のコミュニケーションの場として成り立っているという側面もありますね。意外とこういうことは普段の仕事の場だと機会がなかったり、聞きづらかったりすることもあるので、その役割をGeppoが担ってくれていると思います。

渡邊:なるほど、ありがとうございます。他にも工夫している点はありますか?

佐々木様:コミュニケーションの場なので、どうやったらコメントを書いてくれるか?を考えていますね。人事として知りたいことはたくさんあるので、そうしたことをピンポイントで聞けるような工夫は今後していきたいですね。

先程の独自基準もそうですが、例えば今月からはフリーコメントの補足文言を「①Q1〜4の回答理由 ②SVに相談できなくて困っていること ③ARISEがより良い会社になるための経営層・Corpへの提案」という形で明示して、より回答してもらいやすい工夫も開始しています。

特にコロナ禍ではこうした工夫は大切ではないでしょうか。

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     Corporate Division / HR  武田 千尋様

■コロナ禍における働き方とGeppoの変化


渡邊:コロナのお話が出ましたが、貴社では働き方はどのように変わりましたか?

佐々木様:もともとはオフィスに集まって、フェイス・トゥ・フェイスでコミュニケーションを取りながら仕事をすすめるスタイルの会社(扱うデータのセキュリティ上の問題もある)でした。様々な専門性を持ったメンバーがチームを組み、日々ディスカッションしながら仕事を進めています。
Beforeコロナ時にオンサイトで集まって仕事を進めていたのは今でも正しかったと思っています。

それが今回、突然オフィスに出勤できなくなったので、この考え方を変えざるを得なくなりました。いかに対面でコミュニケーションを取らなくても仕事を回すことができるのか?ディスカッションをオンラインで効果的に行うためには?を考え、現場にも考えてもらいながら手探りで実行してきました。

具体的には、コミュニケーションツールとしてSlackを導入していたのでその活用をより促進するためにどうする、とか、対面コミュニケーションがないのであれば、朝会や夕会の機会を作る、などガイドラインも出していきました。

中でも考え方が変わったのはミーティングでしょうか。ミーティングへの臨み方が変わったと思います。今までは緩やかなルールで運用されていましたが、現在では会議のオーナーが明確になり、課題感を事前に整理し、叩きを持ってきて、参加者みんなの目線を合わせるようになっています。

渡邊:Geppoにはそのような働き方の変化が計測されてりしていますか?

野月様:フルリモートワーク直後は、やはりリーダー層からの苦悩がGeppoに寄せられていましたね。やはり突然のリモートワークは顔が見えずやりづらい、と。しかしある程度ルールが整ってきて、そのようなコメントは少なくなってきています。

一方で、自律的(専門的)な仕事をしているスタッフサイドの従業員はむしろ「この働き方が合っている」というコメントをリモートワーク開始当初から伝えてくれていました。

佐々木様:リモートに強制的になったことによって、その違いは明確になってきている、二極化してきている気はしますね。リモートワークでも成果を出せる人と、ちょっと課題を感じてしまう人がいる。

職種や役割によってリモートワークに対する捉え方は違いますよね。顔が見えなくなることによってマネジメントが難しい、という人もやはりいますし、一方で今までのコミュニケーションでもSlackなどをうまく活用していた人はこのストレスが小さい、など真逆の反応がありました。

会社としては今までになかったこの急激な状況変化に対応するためにも、こうした状態をきちんとGeppoなどで可視化し、各課題にきちんと向き合っていくことが新しい働き方につながると思っています。

あたらしい働き方を考えるためのいいきっかけと捉えて、色々と模索していきたいですね。

 

貴重なお話ありがとうございました!ARISE analytics-006

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