レオパレス21様が目指す「社会の主役の会社」とは?

By Geppo編集部 |
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Geppo編集部
カテゴリー: リリース

近年、企業の持続的成長の鍵として「人的資本経営」への注目が非常に高まっています。

Geppoをご活用いただいている株式会社レオパレス21においても、昨年11月、リクルートワークス研究所から人的資本経営の潮流や先進事例についてご紹介する機会をいただきました。

当日は、代表取締役社長の宮尾文也氏をはじめとする役員の皆様が、自社の人的資本経営のあり方について熱心に議論を交わされました。

その議論を起点に、レオパレス21は今後どのような考えに基づき、「社員が主役の会社」を実現を目指していくのか。これまでの歩みを振り返りながら、未来に向けたビジョンと具体的な取り組みについて、宮尾氏に詳しくお話を伺いました。


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Chapter 01:成長の原動力は「新しい価値の創造」
Chapter 02:「社員が主役の会社」は社員から生まれた言葉
Chapter 03:組織の壁を越えた活発なコミュニケーションの会社へ
Chapter 04:自分事として考え、熱意をもって周りに影響を与える人材へ


Chapter 01:成長の原動力は「新しい価値の創造」

―――レオパレス21のこれまでの歩みを教えてください。

宮尾氏: 当社は1973年(昭和48年)に設立されました。財閥系ではなく、創業者が一人で、徒手空拳で始めた会社です。創業時は不動産の仲介からスタートし、その後、戸建住宅・アパートの販売に移行しました。

約40年前にアパート事業を開始し、現在では全体のマーケットの1割を占める企業にまで成長しました。当社の成長の原動力は、企業理念である「新しい価値の創造」だと考えています。


―――「新しい価値の創造」が、成長の原動力となった具体的な取り組みや事例を教えてください。

宮尾氏: 当時でいう「新しい価値の創造」とは、人口流入や学生の進学・就職で東京に来る方々向けに何が求められているのか、そうした社会的なニーズを正確に汲み取ることでした。

当時のレオパレス21では「ゼロ・アンド・ゼロ」と言い、敷金・礼金をゼロにするなど、従来の不動産屋にはなかった点に取り組んだことが成功の大きな要因になっていたと思います。

―――2018年頃に発生した施工不備の件について、当時どのような背景や課題があったと捉えていらっしゃいますか?

宮尾氏: 当社は施工不備問題が発生するまで、どこかの企業グループに属するわけではなく、業界のルールや慣習に縛られることなく、そういったものを超越する形で進んでいました。それが「新しい価値の創造」だったのです。

しかしそれは裏を返せば、唯我独尊的な考え方に陥りがちだったかもしれません。トップダウンの文化があり、社員や経営陣も含めて同調的な空気のなかで、「指示されたことをやっていれば良い」という姿勢があったのは否定できません。

期待値を守るために、現状を止めることができず、検査などが二の次になっていました。スピード感や成果を重視する部分と、多様な視点を取り入れる部分が相反する状況が見られました。

2018年に施工不備問題が発覚し、第三者委員会により企業文化や風土に改善が必要だと指摘されました。私たち自身も、それが施工不備問題発生の背景にあると認識しました。

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Chapter 02:「社員が主役の会社」は社員から生まれた言葉

―――変化が激しい時代において今後の経営に必要なものとは何だと思いますか?


宮尾氏: 会社が持続的に繁栄・成長し、事業活動を推進する上で最も重要なのは「人」です。ですから今後の当社は、「社員が主役の会社」を目指していきたいと考えています。不確実性の高いVUCAの時代において、従来のやり方や前例に従って言われたことをやるだけでは通用しません。個々の意思を持ち、チームで創意工夫していけるような会社になる必要があります。

施工不備で入居率が下がり、業績が悪化し、社員も自信を失っていた時期がありました。そんな今から約3年前、「ドリクエ」という社内イベントを実施したのです。

このイベントは、有志がいくつかのチームを組んで、経営陣に対して自社をよりよい会社にしていくためのプレゼンテーションをするというものでした。「社員が主役の会社」というキーワードは、まさにその当時のひとつのチームのプレゼンテーションからきています。

「これまでの当社は、どちらかといえば『会社が主役の会社』だった。自分たちは主役の周りにいる傍観者のような存在だった。けれど、今後10年・20年・30年と社会人生活を送っていくのであれば、自分たちが脚光を浴びるような活動ができる会社にしていきたい。『社員が主役の会社』を、自分たちで作りあげていくんだ」と、私たち経営陣に向けて発信してくれました。私はその言葉が、心から嬉しかったです。

―――「社員が主役の会社」実現のために現在取り組んでいることを教えてください


宮尾氏: 既に取り組んでいることとしては2つあります。


1つは執行役員以上が集まり実施するラウンドテーブルです。ここでは人的資本にまつわるフリーディスカッションをしています。何かを決議するための会議ではありません。人に主軸を置いて会社の目指すべき方向性や個々人の思いを自由に話す場です。

売上や契約件数とは別の角度で話をする機会を設けることが最初の目的でしたが、実際に話してみると経営陣でも人に関する意見はかなり分かれるということもわかりました。

決議の場ではないため、従来であれば事業部制で縛られていた内容も、他のセクションから多様な意見が出るようになったというメリットもあります。

 2つ目は「新生レオパレス21」を目指したリブランディングプロジェクトです。こちらも有志の社員がプロジェクトの構成員です。部署や階層の垣根を超え、通常業務も忙しいなかで時間を作り、積極的に意見を交わして進めてくれています。

新たな当社を形づくる重要なMVVC(ミッション・ビジョン・バリュー・クレド)の策定も、このメンバーでやってくれました。未来に向かって歩みを進める当社の変化・変革を、社員一人ひとりが自分事として行動できるためにはどうしていくべきかを考える場です。

一般的にごく少数の人間だけで考えるときは、どちらかというと危機的な状況です。一方で成長フェーズでは、多様な人材が集まり話をする方が良いと私は考えています。リブランディングプロジェクトはまさにその一例で、年齢層の高い経営陣だけでMVVCを決めるのではなく、さまざまなバックボーンを持つ社員たちが集い、熱い思いを乗せて活発に意見交換してくれています。

「社員が主役の会社」というのは、既存の言葉やコピーライターが書いた言葉ではありません。社員の声から生まれた生の言葉です。リブランディングも、他の会社の話ではなく自分たちの会社の話です。自分の会社を来年は、10年後は、どうしていきたいか。これをインタラクティブなコミュニケーションで、熱意ある有志の社員が言語化していきました。

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Chapter 03:組織の壁を越えた活発なコミュニケーションの会社へ

―――「社員が主役の会社」を実現するための今後の計画を教えてください。

宮尾氏: まず大きな取り組みとして、2025年4月に人事制度の改定を行いました。当社も施工不備問題により厳しい時代があり、社員には相当無理を強いてきました。希望退職制度により1067人の社員が去り、現在では正社員数は約2800人となっています。一部の事業が中断・停止となり、一人ひとりの社員にかかる負荷は相応に高いものでした。

そうした状況を乗り越え、現在は事業が改善して収益確保の見込みがある状況にまで回復しました。ようやく報酬への還元ができると判断し、今回の制度改定に至りました。今後も報酬への還元は継続していきます。

報酬だけではなく、勤務地の選択制も始めました。また、熱意があって実力を備えた若手人材を積極的に管理職に登用しています。今後、社員の意欲や能力を引き出すことが、当社の成長の大きな礎になると考えています。

いずれにしてもこれで終わりではありません。社内外のさまざまな方の意見を聞き、状況を把握しながらブラッシュアップしていきたいと思います。

―――「社員が主役」である状態の測定をし、ブラッシュアップする方法とはどういったものがあるのでしょうか?

宮尾氏: 11月の人的資本ラウンドテーブル*でも、リクルート堀川氏からお話のあったように、一般的に従業員エンゲージメントと退職率には明確な相関がみられるといいます。この会社で自分の強み・持ち味が活かしきれていないと思えば社員は去っていくでしょう。

※人的資本ラウンドテーブル:経営層が円卓を囲み、自社の「人的資本の在り方」についてディスカッションする会をレオパレス社内で2024年11月に開催

従業員エンゲージメントと退職率の状況
※図出典 人的資本の潮流と論点2023 ミドルマネジメントによる人的資本経営の実践

2023年より、当社ではGeppo組織サーベイを採用し社員のエンゲージメントを測っています。社員一人ひとりの率直な思いを定期的に吸い上げ、組織課題の改善につなげています。定量的な結果をもとにチームとして、上司と一緒になって会話する機会を増やし、コミュニケーションを取ってもらうよう働きかけています。

エンゲージメントを高めるためには、やはりコミュニケーション・対話が重要です。そのきっかけに何を使うかという点で、当社ではGeppo組織サーベイが非常に役立っています。

チーム全体・一人ひとりを見ていく立場の人間は、やはり管理職です。当社ではマネージャーがそれに当たります。ただ、上司・部下間だけのコミュニケーション以外にも、組織の枠を離れた別の存在がいるとさらに良いと思っています。直属の上司だと話しにくいこともありますから、他にコミュニケーションの場があると良いと思っています。

それを強く感じたのは、先ほどお話ししたリブランディングのチームです。違うセクションや年齢が異なる人たちがコミュニケーションを取りあえるというのは、エンゲージメントを高めることにもつながってきます。

―――全国拠点において実施しているタウンミーティングについても教えてください。

宮尾氏: 現在、47都道府県にレオパレス21の物件が数多くあります。基本的には賃貸管理業ですから、各都道府県に必ず支店があり、小規模な支店では5、6人の支店もあります。チームビルディングでもコミュニケーションにおいても、孤立してしまうことはいちばん良くないことだと考えています。

タウンミーティングでは、まずは私たちから経営に関する情報発信をしています。社内の通達でも紙やウェブ媒体で流れている情報は伝わりにくいため、支店に顔を出し会社の状況を含めてさまざまな話をしています。プレスリリースなどの情報も社員にとっては他人事として受け取ってしまいやすいので、丁寧に細かく説明することを意識しています。

その上で社員一人ひとりの質問や言いたいこと、やりたいことを聞いています。タウンミーティングでの社員のその発言から、人事制度の改定につながったこともあります。

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Chapter 04:自分事として考え、熱意をもって周りに影響を与える人材へ

―――「社員が主役の会社」実現のために、宮尾氏から社員の皆様へのメッセージをお願いします。

宮尾氏: 会社の変革は一朝一夕には起こり得ません。同じように、一人ひとりの人生も一朝一夕にうまくいくものではないと思います。だからこそ、視点や考え方を中長期でとらえていきたい。一人ひとりが今日や明日、来月のことだけでなく、もっと将来のことを考えるべきだと思います。

例えば入居者対応にあたる社員にとっては、直近の入居率だけを見るのではなく、入居者の方が将来的に快適に生活し、社会に貢献し、日本がさらに良くなることを意識しながら働いてもらいたい。そういった面で言うと、「社員が主役の会社」というのはあまり難しいことはなく、自分の直面する出来事を自分事としてとらえて行動するということだと考えています。

また、「主役」という言葉を使うことで「脇役」を否定するつもりもありません。そもそも我々の仕事自体が、主役ではありませんから。「インフラとして社会を支えているのが我々レオパレス21の建物・部屋である」という認識を持ち、そのうえで「主役」という言葉をどう理解するか。これを社員の皆さんに考えてもらいたいです。

自分事として考えることによって、行動も変わっていく。熱意が生まれ、周りの人や同僚・家族も含めて良い影響を与えてどんどん巻き込んでいく。ワンチームでスクラムを組んで、世の中に貢献し変化を起こしていきたいです。

―――それを体現するために社員の皆様に意識してほしい点は何でしょうか?

宮尾氏: 気持ちとして、「守り」には入ってほしくないですね。

自分たちが行動するためには、自分の意思をしっかり持たなければなりません。それを可能にする素地のある社員が、当社には集まってきてくれていると思っています。

また今後は会社としても社員をバックアップする環境を作りたいです。そうすることで、さまざまなコミュニケーションの場において、より良く物事を進めていけると思っています。これを実現した後の新生レオパレス21を私も楽しみにしていますし、みんなでワクワクするような未来を築いていきたいです。

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