カテゴリー: Geppo導入事例

EC(電子商取引)を中心にした3PL(3rd Party Logistics)事業をメインに、不動産事業や倉庫の運営など事業拡大をし続けている株式会社ナカノ商会が2020年5月より関西支社の約70名で運用を開始。

2022年4月に全社約700名に拡大した同社が約2年をかけてどのように運用を固め、全社で実施しているか、中川 大助様にお話を伺いました。

 

中川

株式会社ナカノ商会 中川 大助様


1.Geppo導入の経緯
2.全社展開に向けての運用
3.面談方法
4.全社展開後の課題感と今後の展望


事例サマリテンプレート ナカノ商会-3

1.Geppo導入の経緯

ーーー貴社でどのような課題を感じ、Geppoを導入頂いたのでしょうか?

中川様:当時、私は関西支社の支社長で、調子が悪そうな従業員に直接声をかけたりすることで状況を確認していました。
しかし、事業拡大に伴い組織規模が大きくなり、新しい拠点を立ち上げていくにあたり中途社員も増え、従業員の細かい状態まで見られなくなってしまったことで、徐々に組織としての統一感が欠けてきていると感じました。
もちろん規模を拡大していくことは会社として大事なことではありますが、今までストレートに拾えていた従業員の意見・悩み・相談が、上長に伝わっているのか、個人で抱えているのかなど、どこで止まっているかも分からなくなってしまいました。
そういったことを課題として感じ、従業員との接触回数を増やすという目的でGeppoを導入しました。

 

ーーー様々なツールをご検討いただいた中で、Geppoに決めていただいた要因を教えてください。

中川様:簡単に実施ができるということです。
従業員から意見をいただくにあたって、設問が多かったり、回答方法が大変だとなかなか意見が上がってこないと考えていたため、簡単であることが重要でした。

消費者に例えると、お店に指摘をしたくてもその方法がわからなかったり、伝えてもしょうがないと思ってしまう人は、知らないうちにお店に来なくなってしまいます。

こういったことは会社でもあると思っていて、悩みなどもわからないままいきなり従業員は退職してしまいます。そこで、簡単なツールを使って心の内を表に出してもらうことで、管理者が接触回数を増やせる要因となり、従業員の悩みや不安に感じていることが減ってくると思いました。

2.全社展開に向けた運用

ーーーGeppoの運用体制を教えてください。

中川様:関西支社では正社員のみを対象に、70名弱で2年程運用していました。
私含めて2名を管理者に設定し、ほぼ毎日ログインして回答を確認し、回答内容からファーストアクションを「面談対応者」「メール対応」と分け、「3か月連続でアラートに該当する人は対面で面談をする」ことをルールとして決めました。
中にはずっとアラートが出ている方もいて、面談を続けてもこちらでは解決ができないケースもありました。
理由がはっきりしている方には、メールで趣味の話などを交換日記のようにやり取りしています。
22年4月から全社展開を行い、メール返信のフォーマットを決めました。
もちろんフォーマット一辺倒にならず、必要な項目は押さえながら担当者が創意工夫を行い文面を作成し送信してもらうようにしています。

まだ探りながら行っている部分もあるので、これから固めていきます。

 

ーーー継続してアラートが出ていて理由がはっきりしている従業員とは、メールで趣味の話など交換日記のようなやり取りをされているとありましたが、従業員の趣味などはどのように把握されているのでしょうか?

中川様:そこは独自に設定することができるGeppoの追加質問機能を活用しました。「コロナ禍でのストレス解消法」「プライベートも含めて今一番チャレンジしたいこと」など、仕事とは関係ないことも回答してもらうことで、その内容をキーワードにしています。
自分の楽しいことや興味があることを言葉に残してもらうことで、モチベーションを上げてもらうことも期待しました。
これは、もともと面識のある従業員はもちろん、新入社員も含めた面識の無かった従業員に関してもコミュニケーションを取るのにも活用しました。
追加質問以外には、一人ひとりに対して年2回程、ジョブカードを使いキャリア面談をしていました。
私がキャリアコンサルタントの資格を持っていることもあり、ある意味趣味のようになっています(笑)

 

【0727】_ナカノ商会中川様_セミナー登壇資料

 

ーーー22年4月から全社展開していただいた要因を教えてください

中川様:導入当初から全社展開を視野に入れていて、関西支社でよほど効果が無かった場合以外は実施するつもりで、トライアンドエラーを行いながら運用を固めていきました。
従業員が回答して、管理者は回答内容やアラート通知を確認して接触回数を増やすというGeppoのルーティーンがあることは良かったです。
全社で見たときに関西支社と比べると、従業員と管理者の繋がりが弱いと感じました。
新入社員が増え、話しかけるタイミングも分からなくなっており、繋がりを強化するという当初の目的が関西支社では効果的だったので、このタイミングで全社展開をするに至りました。


ーーー全社展開をする際にどのような流れで行ったのでしょうか?

中川様:経営者に同意をもらうことが大前提としてあったので、まずは関西支社で行った実績を報告しました。
これにはGeppoのCSにも協力いただき、机上の空論にはなりますが、費用対効果を出しました。
関西支社は、弊社で実施している従業員満足度調査での満足度が高く、Geppoを導入したタイミングだったことも追い風になりました。
弊社は「雇用なくして企業にあらず」を社是として掲げていて、創業時から「雇用」を大事にしている会社だからこそ、Geppo自体が弊社のビジネスモデルに合致しており、経営者からの合意はすんなり行きました。
Geppoが数字的な効果が見えにくいツールであるということも理解してくれていました。

次に、各支社長や部門長への周知ですが、「社長に了承もらったからやる」という伝え方をしてしまうと反発が出てしまうため、伝え方は考えました。
各支社長や部門長に味方になってもらうため、各拠点に行脚して膝を突き合わせて「こんなことをやるので応援してください!」とかしこまった言い方をせずに伝えました。
もともと各支店長とは、四半期に一回持ち回りで会議を行っていて、コミュニケーションが取れ、信頼関係の構築ができていたので、スムーズに行きました。

支店長や部門長までコミットできたら後は従業員への周知と、管理者側の平準化や担当者決め、対応方針決めと進めていき、4月に開始しました。
従業員への周知は、Geppoの利用の目的などを伝えましたが回答率が90%程でまだ行き渡ってない可能性があるので、周知は引き続き行っていきます。
4月は全社展開初回で対応にばらつきが出てしまうため、100件以上のアラート対応をすべて私が対応しました。
5月は各担当者に対応を任せましたが、細かいワードの修正などを行いながら、運用を整えています。

各支社長にも回答をしてもらっていますが、経営課題などのコメントもあるため、良い反応だと思っています。

3.面談方法

ーーー面談はどのように行っているのでしょうか?

中川様:体調不良のケースは、産業医にエスカレーションし、面談をしてもらっています。
コンディション不良が続いた方への面談方法としては、「傾聴」ではなく「問題解決」で、もちろん聴くことは大事だが、コンディション不良が続いているのでSOSが続いているため、問題解決に向けて筋道がぶれないように対応をします。
「来月どうなっているのか一緒に確認をしようね♡」と合意をして終了します。
この♡もポイントです(笑)
これをブラッシュアップしながら進めていきます。

 

ーーー面談を実施してどのような効果を感じていただいていますか?

中川様:従業員との接触回数が増えるのと比例して、回答内容に悩みや不満も上がってくるようになりました。
これは、管理者としてネガティブにとらえておらず、問題があらわになるというのが良いポイントだと思っています。
回答を見て、すぐに改善に向けて動く姿を見せることが、会社の定着や高いエンゲージメントに繋がっている可能性があると思っています。

また、退職された方のGeppoの回答履歴を見ると、半年くらい前からコンディションが悪くなっている傾向が出ており、コンディションの悪い状態が続いている従業員は「退職の可能性がある」という観点で面談ができています。

全社展開して見えたこととしては、上司視点ではいい部署と感じているが、部下視点では課題がある部署と捉え方が異なっていたケースがありました。これは改善の余地があるなとポジティブに考えています。
弊社で実施している従業員満足度調査で関西支社が高かったのも、Geppoが影響していると思っています。
従業員満足度調査は毎年2月に実施しているので、Geppoを全社展開した結果がどう出るのかが今から楽しみです。

 

倉庫外観

4.全社展開後の課題感と今後の展望

ーーー全社展開頂いて2か月時点で課題は出ていますか?

中川様:担当者の対応レベルを上げることが課題だと感じています。
従業員との接触回数が多くなることは良いのですが、下手な対応を取ってしまうと逆効果になってしまうので、方法を工夫しないといけません。
アラートが発生した事象を回答者の属人的なものとしてとらえるのでは無く、いかに組織課題として認識するか、広い視点をもって行うことが大事だと感じています。

実際に私が「〇〇さんこういうこと言ってるけど大丈夫?」と担当者に確認をすると「以前からそうで、この人が悪いんです。」と返答がありました。
「この人が悪い」で終わってしまうと広がらなくなってしまうので、他の従業員のコメントなどから問題を深掘りし、打ち手を考えていくことが大事だと考えています。

 

ーーー貴社の今後の展望を教えてください。

中川様:弊社の基本方針は「雇用なくして企業にあらず」です。
また、弊社ロゴには「Human Energy Logistics」という言葉を入れています。これは【人の力で無限の価値を創造する】という意味で、人を大事にすることが会社の根底にあります。

弊社の事業である3PL業では、大手にはない価値を作らないといけないので、例えば1万坪クラスの倉庫を1か月で立ち上げることができるといったスピード感を強みにしています。
そのため、従業員の採用を進めていく中で、組織文化の浸透や定着、管理職の育成にも目を向けていかないといけません。
多様な人材を生かしていき、生産性の改善をすることをずっと考えないといけないと思っています。
それに伴って人事制度改革を進めていく中で、どこに課題があるのか確認できるGeppoには、今後も期待したいと思っています。
Geppoを通じて接触回数を増やし問題点を導き出すことは、制度としてやっていかないといけないと考えています。
1on1も然り、セルフ・キャリアドックの導入や、キャリアプログラムなどコンテンツを融合した人材開発を弊社の成長戦略に伴って見直し、人材開発室の立ち上げなど含め来期から実施できるように目指していきたいと思います。

 

ーーー本日は大変貴重なお話ありがとうございました。

 

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