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新卒社員の離職防止は企業にとって大きな課題の1つです。

企業は新卒社員の定着を希望するものの、直近2年間の離職率は上昇傾向にあるのが現状です。

新卒社員の離職は、企業側にさまざまなリスクをもたらす可能性もあるため、対策を講じる必要があります。

 

本記事では、新卒社員の離職率の現状とその原因を把握し、新卒社員の早期離職を防ぐための方法を解説します。

 

目次

離職率とは?

離職率

そもそも離職率とは、一定の期間内に会社や組織から離職した人の割合を表す指標です。

離職率の計算方法に法律の定めはありませんが、以下の式で求めることができます。

 

離職率 = 一定期間内の離職者 ÷ ある時点(期初や前期末)での常用社員数 × 100(%)

 

期初から期末までの1年間で算出するのが一般的ですが、新卒社員を対象にしたり、期間を入社後3年以内などに絞り込んだりすることで、目的に応じた離職率の算出が可能です。

 

あらかじめ離職率を算出する目的を明確にし、対象や期間を設定するのがポイントです。

 

出典:厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況 P6 .

 

データで見る新卒社員離職率

新卒社員の離職率

ここでは新卒社員離職率を、2023年10月に厚生労働省が発表した新規学卒就職者の離職状況をもとに、「会社規模別」と「業界別」に分けて解説します。

 

会社規模別で見ると、企業の規模と新卒社員の離職率との間には相関関係があると考えられます。

 

一方、業界別で見ると、新卒社員の離職率には業界固有の特徴や課題、労働環境の違いなど、多様な要因の影響が伺えます。

 

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

 

会社規模別で見る新卒社員離職率の推移

厚生労働省の調査では、企業規模が小さくなればなるほど、新卒社員の離職率は上がる傾向があることが明らかになりました。

また、新卒社員の離職率は過去2年で上昇していることがわかります。

 

<図>

【図版】新規大卒就職者3年以内の離職率×事業規模

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します (別紙2)

 

企業規模が小さくなればなるほど新卒社員の離職率は上がっていき、5人規模の企業は新規学卒者の50%以上が入社3年以内に離職しています。

 

30〜99人規模の企業の離職率も高く、40.6%にものぼります。

 

反対に企業規模が1,000人以上の事業所では、26.1%と30%台を下回っています。

 

企業規模が小さくなるほど新卒社員の離職率が高くなっている理由として、1人あたりの業務量が多くなり、労働時間が長くなることが考えられます。

 

厚生労働省「令和4年就労条件総合調査」では、労働者1人あたりの平均週所定労働時間は、会社規模が小さくなるほど長くなることが示されています。

 

<図>

【図版】会社規模別 週所定労働時間

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します (別紙2)

 

さらに、同調査では企業規模が小さくなればなるほど、年間休日総数も減少することが明らかになっています。

たとえば、年間休日総数が89日以下の企業は、社員が1,000人以上の規模では全体の2.0%ですが、社員が30〜99人の規模では全体の14.6%にものぼります。

 

<図>

【図版】会社規模別 年間休日数

出典:厚生労働省 令和4年就労条件総合調査

 

このことから、小規模の企業ほど人手が足りないために労働時間が長くなりやすく、離職者が増える傾向があると考えられます。

 

業界別で見る新卒社員離職率の推移

新卒社員の離職率は、業界別に見ると「宿泊業・飲食サービス業」が最も高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」が最も低いです。

また、過去2年で多くの業界の新卒社員の離職率が上昇しています。

 

<図>

【図版】大学新卒 産業別3年以内の離職率

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します(別紙3)

 

新卒社員の離職率が最も高い「宿泊業・飲食サービス業」は、新規大卒就職者の51.4%と約半数が入社してから3年以内に離職しています。

一方、新卒社員の3年以内離職率が最も低い「電気・ガス・熱供給・水道業」では、新規大卒就職者の10.5%という低い割合で推移しています。

 

新卒社員の3年以内の離職率が高い業界には、週所定労働時間が長いという特徴があります。

 

厚生労働省の統計によると、労働者1人あたりの平均週所定労働時間が最も高い業界は「宿泊業・飲食サービス業」で、新卒社員の離職率が最も高い業界と一致しています。

また、新卒社員の離職率が2番目に高い「生活関連サービス業・娯楽業」も、週所定労働時間が全業界の平均を上回っています。

 

これらの業界は、シフト制の勤務や休日出勤、深夜業務などが多く、新卒社員にとっては肉体的・精神的な負担も大きいでしょう。

これが離職率を高くする一因だと考えられます。

 

<図>

【図版】大卒離職者の多い業種×労働時間

出典:厚生労働省 令和4年就労条件総合調査の概況

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

 

また、離職率の高い業界は、サービスの対象が法人ではなく個人だという特徴もあります。

たとえば、離職率の高い「宿泊業・飲食サービス業」や「生活関連サービス業・娯楽業」、「教育・学習支援業」はサービスの提供対象が個人であるケースが多い一方で、離職率の低い「電気・ガス・熱供給・水道業」「製造業」「鉱業・採石業・砂利採取業」は、サービスの対象が法人であるケースが多いです。

 

<図>

【図版】業種による大卒離職者の傾向

出典:厚生労働省 令和4年就労条件総合調査の概況

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

 

さらに、令和2年3月卒の新卒社員は入社のタイミングが新型コロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言発令時と重なります。

過去2年で新卒社員の離職率が上昇した業界は、売上の減少やリストラなど、コロナ禍の影響を大きく受けた業界であるとも考えられます。

 

ただし、週所定労働時間が長く、サービスの対象が個人であれば必ず離職率が高くなるというわけではありません。

たとえば、週所定労働時間が2番目に長い業界の「運輸業・郵便業」は、業界別離職率の平均を下回っています。

 

また、建設業における新規高卒就職者の産業別就職後3年以内の離職率は、サービスの対象が法人であるにもかかわらず平均よりも高い離職率を示しています。

 

このように業界によって大きく異なる新卒社員の離職率は、単一の要因だけの影響を受けるものではありません。

 

企業が新卒社員の採用や定着の戦略を考える際には、新卒社員が離職する背景にある業界特有の要因や課題に対する理解が重要になります。

新卒社員が離職することによる企業のリスク

新卒社員が離職するリスク

新卒社員の離職による企業のリスクは、「コスト」と「労働環境」の2つに分けられます。

 

まず、採用活動や入社後の教育に対して費やしたコストが無駄になるリスクが挙げられます。

特に新卒社員は、中途採用した社員と比べて入社後の教育に時間をかけることも多いです。

研修の実施などにともない、既存社員が時間を割かなくてはならないケースもあるでしょう。

 

そのため、新卒社員が早期に離職してしまうと費やしたコストに対して売上が立たず、企業にとって損失になる可能性もあります。

 

また、新卒社員の離職は労働環境の面でもリスクになりえます。

 

たとえば既存社員にとっては、新卒社員の離職はモチベーションの低下につながる恐れがあります。

 

それにより、社内の雰囲気が悪くなり生産性の低下につながれば、離職の連鎖が発生する可能性も考えられます。

さらに、新卒社員の離職が多いと対外的に「ブラック企業」というイメージがつき、企業に対する印象の悪化にもつながりかねません。

新卒社員が離職してしまう原因とは?

新卒社員が離職する原因

新卒社員が離職する背景には多くの要因が存在します。

  • 給与や労働条件に対する不満
  • 入社前後の期待と現実のギャップ
  • ノルマによるプレッシャー
  • 企業の組織文化や社風との不一致

上記以外にも、職場の人間関係やハラスメントによるストレスは、新卒社員離職の大きな原因となっています。さらに、メンタルヘルス不調やキャリアに対する不安、社内に相談できる相手がいないことも、離職を考えるきっかけとなっています。

給与・労働条件に対する不満

給与が仕事に見合っていないことは、新卒社員が離職する大きな原因の1つです。


近年、仕事とプライベートの充実を図る「ワークライフバランス」の考え方が浸透してきました。もちろん、新卒社員の中にもワークライフバランスを重視する人物はいるでしょう。


しかし、給与はモチベーション維持の重要なポイントであることに変わりはありません。

また、長時間労働や、休暇・有給の取得に苦労するなどの労働条件に不満があると、周りの友人と自身の境遇を比較して離職する傾向があると言われています。

企業に対する希望と現実のギャップ

入社前に抱いていた企業に対する理想と、入社後の現実とのギャップが新卒社員の離職を引き起こすこともあります。たとえば、理想と現実のギャップとして次のものが考えられます。

入社前に抱いていた企業に対する理想 入社後に知った企業の現実
- 希望していた職種に配属 - 興味のない職種に配属
- 仕事の裁量が大きい - 上司から指示ばかりで裁量はほとんどない
- コミュニケーションが活発な職場 - 必要最低限のコミュニケーションしかない
- 新規事業にどんどんチャレンジできる - 同じ仕事の繰り返しばかり

新卒社員は、数多くある企業の中から1つの企業を選び入社してきます。しかし、入社前に抱いていた理想と入社後に知った現実との間にギャップが大きい場合、離職につながるリスクが高まります。


事前に、社内には厳しい面もあることを伝えて、ギャップを埋めておくことも必要です。

ノルマによるプレッシャー

ノルマによるプレッシャーが、新卒社員の離職の原因となることもあります。


たとえば、営業職は結果が数字として具体的に表れる職種です。そのためノルマが設定されており、その達成が求められるケースも少なくありません。

また、ノルマを達成できなかった際、達成者と比べられたり大声で怒鳴られたりするような指導をおこなうと、過度なプレッシャーを与えてしまいかねません。それが、新卒社員が離職するきっかけになる可能性もあります。


新卒社員に対する一定のノルマ設定は成長にもつながりますが、過度なノルマは設定しないようにしましょう。

組織文化が合わない

給与や労働条件、業務内容に不満がない場合でも、会社の理念に自分自身の考え方や価値観が合わないと仕事にやりがいを感じられなくなり、離職する可能性が高まります。

また、社風が合わない場合も、新卒社員の離職の一因となります。社風は、企業がある地域や業種によっても異なります。そのため、企業の社風に合うかどうかは人それぞれです。
面接や対面する際、会社の理念や職場の雰囲気を伝えて、判断してもらいましょう。

人間関係のストレス

職場の人間関係で感じるストレスも、新卒社員の離職原因に挙げられます。

実際に、厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査結果の概況」によれば、1年以内に離職するケースでは、「職場の人間関係が好ましくなかった」を理由に挙げている方が多く、男女ともに離職原因の2位です。

厳しい上司や先輩社員との関係にストレスを感じることで、仕事自体が辛くなり、離職につながるケースもあります。


また、「苦手な人との関係がうまく築けない」や「業務の属人化などによって職場内でコミュニケーションが取れる環境が構築されていない」など、上下関係以外が離職原因となることもあるようです。

新卒社員に限った話ではありませんが、人間関係は離職の大きな原因となります。

出典:厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況

ハラスメントが横行している

近年、さまざまな形でおこなわれるハラスメントが問題となっています。職場であれば、「パワハラ」「セクハラ」「モラハラ」などが考えられるでしょう。


どのような場合でも、ハラスメントは許される行為ではありません。また、ハラスメントは心の不調も招くため、特に新しい環境に置かれ、ストレスを感じやすい新卒社員にとって離職の判断に直結しやすい理由になります。


ハラスメントが横行しているにもかかわらず、職場で何も対応しないというような状況が続いている場合には、新卒社員自身がハラスメント被害を受けていなくても、会社に対する不信感から離職につながる危険性が高まります。


ハラスメントが横行しないような職場環境づくりのためにも、相談窓口の設置などの対応が必要です。

メンタルヘルス不調

職場内の人間関係が悪化すると、コミュニケーションの機会が激減します。入社したばかりの新卒社員は、会社や仕事について知らないことが多く、不安な気持ちを抱えています。


そのような状態にあって、職場で活発なコミュニケーションが取れないと、周囲に相談できなくなるでしょう。新卒社員がこのような状況に置かれると、より大きな不安感を覚えメンタルヘルス不調に陥る可能性があります。メンタルヘルス不調は、休職や離職につながる原因です。


コミュニケーションの活性化や、ストレスチェックの導入などのメンタルヘルスケア制度の整備が、新卒社員の不安を取り除く役目を果たし離職率の軽減につながります。

キャリアアップが望めない

近年では、転職はキャリアアップを図る方法として身近な存在になりました。

内閣府の若年層を対象にした調査では、転職に否定的な意識を持っている若者は17.3%であるという結果が出ています。このことから、若い世代ではその他の世代と比べて転職に抵抗がない人の割合が高い可能性が考えられます。


上司や先輩社員の出世スピード、自身のキャリアアップに対する不安、キャリア形成のための制度の不備を感じたときに、離職の可能性は高まります。


同様に、仕事にやりがいが感じられないことも離職の原因となります。
キャリアについて意識の高い新卒社員は、自身のキャリアアップが望めないと「早めに転職したほうが有利だ」と判断して離職してしまう可能性があります。

出典:内閣府 就労等に関する若者の意識(図表13)

社内に悩みを相談できる相手がいない

近年ではコロナ禍によるリモートワークの普及により、先輩社員や上司とコミュニケーションを取る機会が減少しました。オフィスでのカジュアルなコミュニケーションやランチタイムの会話など、自然に生まれる相談の場が少なくなっています。


また、リモートワーク環境下では、先輩の仕事ぶりを直接目の当たりにする機会が少なくなり、OJTのような学びの場が制限されています。そのため、仕事に関する疑問や悩みを持った際、それを相談する相手が見当たらないという問題が生じています。

新卒社員の離職を防ぐ有効な方法

新卒社員の離職率を防ぐ方法

新卒社員の離職を防ぐための方法として、まず職場のコミュニケーション改善や労働環境の見直しが重要です。


具体的には給与や休暇取得、リモートワークやフレックスタイム制の導入が考えられます。コミュニケーションを活性化させるためのミーティング導入やメンター制度、オンボーディング制度も効果的です。


さらにメンタルヘルスへの取り組みは必須とされており、ストレスチェック制度や人事評価の見直し、キャリアパス制度の設置が新卒社員の不安解消やキャリアビジョン構築に繋がります。


以下では、新卒社員の離職を防ぐ有効な方法を紹介します。

労働条件や労働環境を見直す

給与面での不満や長時間労働、休暇・有給取得の難しさに対する不満をもたれている可能性がある場合には、労働条件や労働環境の見直しを図りましょう。離職を防ぐための有効策です。


給与面では、評価制度の見直しから始めるといいでしょう。評価制度を明確にすれば、新卒社員は納得感を得られます。

長時間労働や休暇に関する不満に対しては、業務効率化をおこない、働きやすい職場環境を整えることが有効です。


また、リモートワークやフレックスタイム制の導入なども労働環境の見直しになります。自社が取り入れやすい方法で改善を目指しましょう。

職場でのコミュニケーションを改善する

風通しがよく、コミュニケーションが取りやすい職場は、離職率の低下だけでなく生産性の向上に有効な効果が見込めます。


しかし、活発なコミュニケーションを個々の社員に任せるのには限界があります。社員によって取り組み方にバラつきが生じることも懸念されます。

職場のコミュニケーションの活発化には、企業が率先して仕組みを作るといいでしょう。


たとえば、定期的な社員とのミーティングの設定、上司と部下が1対1で面談をおこなう「1on1ミーティング」を実施するなどの方法があります。

職場内のコミュニケーションが改善され、新卒社員が気軽に相談できるようになれば、離職率の改善が図れるでしょう。

メンター制度の導入

メンター制度とは、1人の新入社員に対して入社歴が近い先輩社員がついて、業務の指導や相談などのサポートをおこなう制度です。


比較的年齢が近い先輩社員がメンターとなるため、上司よりも気軽に相談しやすく、精神的な負担も少なくなります。社員のメンタルヘルス不調防止に期待されている制度です。


メンターの役割を担う人は、傾聴力やコミュニケーション力が高い人がいいとされています。また、他部署の先輩社員をつけると、新入社員自身の業務から離れた立場の相手に相談ができるため、さまざまな不安の解消が期待できます。


オンボーディング制度の導入

オンボーディングとは、新卒社員や中途採用者などの新入社員が1日でも早く会社や仕事に慣れ、早期から活躍できるようにサポートする制度を指します。


オンボーディングは従来の新人研修と似ています。しかし、新人研修が新入社員を対象に、一定の期間内で一律におこなわれるのに対し、オンボーディングは新入社員だけでなく中堅社員も参加して、継続的におこなわれる点に違いがあります。

メンタルヘルスケアを実践する

新卒社員の主要な離職原因に挙げられる、仕事上の過度なストレス、ノルマによる辛いプレッシャー、人間関係の悩みなどは、メンタルヘルス不調を引き起こす大きな要因となります。

メンタルヘルス不調は、うつ病などの「こころの病」を引き起こしやすく、休職や離職へと追い込まれてしまう危険性もあります。


メンタルヘルス不調は健康診断と同様、精神状態のチェックをおこなうことで予防が可能です。

「労働安全衛生法」の改正により、2015年12月から毎年1回、社員に対してストレスチェックをおこなうことが、常時使用する労働者数が50人以上いる企業の義務となっています。


ストレスチェック制度を取り入れ、新卒社員のこころの状態を把握すれば、離職率の改善も期待できます。

キャリアパスについて明確にする

自身のキャリアについて意識の高い新卒社員も少なくありません。そのため、やりがいや成長が感じられないと判断したときには、見切りをつけて転職に踏み切るケースも考えられます。


そこで、企業においては人事評価制度を見直し、見える化することが重要となります。自分自身の評価が明確になるため納得感を得やすく、やりがいを感じてもらえるようになるでしょう。

さらにキャリアパス制度の設置も有効です。

「どのようなステップを踏めば、目指しているキャリアへ到達できるのか」が明確になるため、新卒社員が抱えるキャリアに対する不安の解消につながるでしょう。

働き方改革から生じている新しい問題とは

働き方改革の課題

働き方改革の推進により、「ブラック企業」に代わって広まったのが、ワークライフバランスを大切にする「ホワイト企業」です。労働条件も良く、職場の風通しがいい理想的な環境ですが、最近は「ホワイト企業」であるがゆえの問題が生じています。


それは「ゆるい職場」への不安を感じる新卒社員の増加です。ホワイト企業で働くうちに「自分は別の会社や他の職種では通用しないのではないか」という不安に陥る新卒社員が増えているといいます。


従来は、不満があって離職する場合がほとんどでしたが、最近では「将来が不安だ」という理由で離職する新卒社員が出てきています。


働き方改革によって、多くの企業で働きやすい環境の整備が進んでいます。しかし、その働きやすい環境が、新卒社員の仕事に対する不安を生み出す可能性があるという新たな問題に直面しつつあります。

まとめ

まとめ

新卒社員の早期離職には、企業にとって無視できないリスクがあります。

たとえば、採用活動によって生じた金銭的なコストや、教育のために費やした時間的なコストが無駄になってしまうことが挙げられます。

新卒社員の離職原因には、給与や労働条件、職場の人間関係などがあるため、どれか1つを改善すればいいというわけではありません。自社における新卒社員の離職理由を正しく理解し、離職を防ぐための適切な方法を複合的に考えていく必要があります。

新卒社員をはじめ、自社の社員の仕事に対する状況をリアルタイムに収集する方法の1つにサーベイツールが挙げられます。新卒社員の離職を防ぐために、サーベイツールの導入もご検討ください。

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【監修者プロフィール】

geppo監修木下洋平 

木下 洋平

合同会社ミライオン

 

株式会社リクルートや教育研修会社での勤務後、現在は独立した専門家として活動。

キャリアコンサルタント資格を取得し、400人以上の個人のキャリア開発をサポート。

また、企業向けの人材育成・組織開発コンサルティングも手掛けており、個人と組織の両面での支援を行っている。

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