パルスサーベイは社員の状態をリアルタイムで把握できる調査方法です。
パルスサーベイを実施することで、どのような効果をもたらすのか、メリットはどのようなものがあるのかを知りたい担当者もいるでしょう。
本記事では、パルスサーベイがどのようなサービスなのかをはじめ、メリット・デメリット、効果的におこなうための注意点などを解説します。
さらに、パルスサーベイで利用できる質問例を紹介しますので、参考にしてみてください。
目次
- パルスサーベイとは?
パルスサーベイの目的
リモートワーク時代にパルスサーベイが注目される理由 - パルスサーベイの活用シーン
新入社員のオンボーディング
人事異動など配属後のフォロー
社員のメンタルヘルスチェック
会社的な新制度導入や制度見直し時 - パルスサーベイのメリット
社員の現状に近い満足度が把握できる
従業員エンゲージメントの向上 - パルスサーベイは意味がない?デメリットは?
回答頻度が多いため社員の負担になる
調査の機会が多く回答内容の質が下がってしまう可能性がある
具体的な改善策は担当者が考えなくてはならない
結果集計から改善策の実行までを短期間におこなわなくてはならない - パルスサーベイを意味のあるものにするなら「Geppo」
サーベイを効果的に活用するためのサポートが手厚く継続率は98% - パルスサーベイの質問例集
サーベイツール「Geppo」における4問目の活用例
リモートワークを実施している組織の質問例
上司や同僚との関係についての質問例
業務内容に関する質問例 - パルスサーベイを実施する際の注意点
パルスサーベイの目的を明確にする
詳細な実態まで把握するのが難しい
回答のマンネリ化を防ぐ工夫が必要
効果的な運用のために正確なフィードバックが求められる - パルスサーベイはGeppoで
パルスサーベイとは?
パルスサーベイとは、社員を対象として実施するサーベイの一種です。
社員の意識をリアルタイムにチェックできる調査として知られています。
5問から15問程度の簡単な質問を、週1回または月1回という短いスパンで実施します。
この調査を毎週、毎月と繰り返しおこなうことで社員が抱えている不満や課題を素早く把握し、改善策を講じることが可能になります。
パルスサーベイのパルス(Pluse)とは、日本語で「脈拍」を意味しており、脈拍を測るように定期的に調査をおこなうため、このように呼ばれています。
なお、パルスサーベイが短いスパンで調査を繰り返しおこなうのに対し、年に1回から2回の長いスパンでおこなうのがセンサスサーベイです。
センサスサーベイは、質問数が多く100問を超えるケースもあり、社員の状態をより詳細にチェックできます。
パルスサーベイの目的
パルスサーベイの目的は、短いスパンでPDCAサイクルを回し、社員の労働環境や職務内容など会社に対する満足度やエンゲージメント(組織への愛着心)を向上させることです。
パルスサーベイでは、従業員が抱えている不満や課題をリアルタイムで把握できます。
見つかった課題に対し早期に対策をおこなえるため、社員の満足度やエンゲージメントの向上が期待できます。
つまり、パルスサーベイを定期的におこなうことで、課題の発見、改善策の立案、改善アクションの実施というPDCAサイクルを回せるため、健全な組織運営にもつながると考えられます。
リモートワーク時代にパルスサーベイが注目される理由
出典:「令和3年版厚生労働白書-新型コロナウイルス感染症と社会保障-」
リモートワークの普及により、働き方の選択肢が広がりました。
その一方で、社員同士が直接会う機会が減少し、コミュニケーション不足によるストレスが問題になっています。
さらに運動不足などに起因する健康面の課題も生じるようになりました。
厚生労働省が発表している「令和3年版厚生労働白書-新型コロナウイルス感染症と社会保障-」において、リモートワークのデメリットとして上位だったのはコミュニケーションについて(「同僚や部下のとコミュニケーションがとりにくい(56.0%)」「上司とのコミュニケーションがとりにくい(54.4%)」)でした。
そこで注目を集めたのがパルスサーベイです。
短期間のサイクルで社員の状態を把握できるため、リモートワークをしている従業員の心身の状態を早期に把握し、対処できる特徴があります。
パルスサーベイの実施により、モチベーションの低下や離職の可能性を減少させる効果に期待が寄せられています。
パルスサーベイの活用シーン
パルスサーベイは、さまざまなシーンで活用されています。
それぞれの場でどのように生かせるのか見ていきましょう。
- 新入社員のオンボーディング
- 人事異動など配属後のフォロー
- 社員従業員のメンタルヘルスチェック
- 全社的な新制度導入や制度見直し時
新しく組織に加入したメンバーに組織にいち早く馴染んでもらい、即戦力として活躍してもらうためのオンボーディングに活用されています。
また、メンタル面で影響が出ると考えられる人事異動や、配属後のメンタルチェックとフォロー、法定のメンタルヘルスチェックや企業独自でのメンタルヘルスチェックにおいても採用されています。
人事施策の一環として全社的な新制度の導入や、制度を見直し大きく変化させる場合には、パルスサーベイを活用しながらおこなうと、社員の納得感を得ながら実行できるでしょう。
新入社員のオンボーディング
オンボーディングとは、新卒社員や中途社員など、新入社員の早期活躍をサポートする制度です。
パルスサーベイは、新入社員が現状で感じている意見や悩みを把握する際に役立ちます。
入社間もない頃は、慣れない環境に対してストレスを感じやすくなっています。
パルスサーベイを定期的に実施することで、新しい職場での複雑な人間関係や組織に対する理解度をリアルタイムで把握できます。
また、直接答えづらいメンタル面についても詳しく把握できます。
パルスサーベイで把握した課題を改善すれば、新入社員が働きやすい環境を作り出せるため、信頼関係の構築にも役立てられるでしょう。
さらに、パルスサーベイで得たデータをオンボーディングで活用することで、新入社員の効果的な教育も可能です。
パルスサーベイでは、定期的に新入社員の満足度やエンゲージメントを確認できるため、実施した改善策の効果測定にも利用できるでしょう。
人事異動など配属後のフォロー
人事異動は社員の心の状態を不安定にする可能性があるため、フォロー体制を構築しておく必要があります。
人事異動を受けて、モチベーションが高まる場合もありますが、不満やストレスを抱えてしまうケースも少なくありません。
パルスサーベイを定期的に実施することで、人事異動になった社員が新しい環境に適応できているかを把握できます。
モチベーション低下などの傾向が見られれば、迅速なフォローが必要です。
迅速なフォローができればモチベーションの回復にもつながり、パフォーマンスの向上も期待できます。
社員のメンタルヘルスチェック
パルスサーベイは、社員のメンタルヘルスチェックとして活用することが可能です。
短いスパンで、定期的に繰り返しおこなうため、社員のストレスを定点観察できます。
定点観察によって社員のメンタルの異常を早期に発見し対処することで、社員の心の健康を守れます。
なお、メンタル面の不調は、休職や離職だけでなく重大な事態を招く可能性もあるため、国も対策に積極的に乗り出しています。
平成26に労働安全衛生法が改正され平成27年12月から、常時50人以上の労働者を使用する企業に対して、年に1回のストレスチェックを義務付けています。
会社的な新制度導入や制度見直し時
全社的な新制度の導入や従来の制度を大きく見直すような場合に、パルスサーベイを実施すると効果的です。
その理由として、トップダウン方式によって一方的に決めてしまうと、社員からの反発を招いてしまうケースがあるためです。
一方的に指示をする形となるトップダウン方式は、現場の意見やニーズが反映されにくく、社員の不満を招く可能性があります。
そこでパルスサーベイの実施によって、社員が改善してほしいと考えていることや期待していることなどのニーズを把握し、現場の納得する制度を整えていくのが重要になります。
現場のリアルな意見や希望を取り入れた制度の整備は、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上も期待できるでしょう。
※サーベイツールの詳細については下記記事をご参考ください。
サーベイツールとは?おすすめのツールや選び方のポイントを解説
パルスサーベイのメリット
パルスサーベイのメリットは、短いスパンで実施されることによって、社員の状態をタイムリーに把握できる点にあります。
日常的に社員が置かれている現状について把握することで、必要なタイミングで適切な対応が取れるようになります。
同時に社員のニーズを把握できるため、現場の声を反映した制度の実行が可能になります。
現場の声を聞き入れ、早期改善していくことで社員のエンゲージメントも向上するでしょう。
ここからは、パルスサーベイを活用するこれらのメリットについて解説します。
社員の現状に近い満足度が把握できる
パルスサーベイは、週1回や月1回という短いスパンで簡単な質問を定期的、継続的に実施します。
これにより社員の現状に近い状態や満足度を把握できるようになります。
社員のストレスや満足度は、その時の状況によって日々変化していくものだと考えられます。
不満に感じている内容や、少しの変化をタイムリーに捉え、迅速に対応することによって、社員の満足度やエンゲージメントの向上、モチベーションの維持が期待できます。
また、満足度を定点観察することで、新しく導入したり見直したりした制度の効果測定にも役立ちます。
社員の満足度が高い状態を維持していれば、制度の効果が出ていると推察でき、満足度が下がっている場合には、その原因を調査し改善することも可能になります。
従業員エンゲージメントの向上
パルスサーベイによって収集した社員の意見やニーズを受け、改善アクションに移していくことで、社員エンゲージメントの向上が期待されます。
収集した現場の声を生かしてフォロー制度や人事施策などを立案、検討し、導入することで、迅速に改善していく姿勢を従業員に示せます。
社員は自分の意見を反映してもらえたという実感を得られるため、企業に対する信頼感や満足度、エンゲージメントが向上につながると考えられます。
エンゲージメントの向上は、仕事に対するモチベーションアップにもつながりやすいため、生産性の向上にも寄与する可能性があります。
また、職場環境も改善されやすくなるため、社員はやりがいを感じながら仕事に打ち込むことができるでしょう。
パルスサーベイは意味がない?デメリットは?
「パルスサーベイは意味がない」と言われることも少なくありません。
しかし、これはパルスサーベイが適切に実施できていない場合や、複雑な管理や効果測定が十分にできていない場合など、思うような効果が得られない際に言われやすいものです。
たとえば、高い頻度で実施されるパルスサーベイは、社員にとって負担になってしまう可能性もあります。
また、繁忙期に高い頻度でサーベイを実施すると、回答の精度を下げてしまう可能性があります。
さらに、サーベイの活用によって把握した社員の不満や課題に対して、具体的な改善策を考える担当者の負担にも注意しなくてはなりません。
ここからは、パルスサーベイの実施において考えられるデメリットについて解説します。
回答頻度が多いため社員の負担になる
パルスサーベイは定期的な実施によりタイムリーな状況を把握できますが、その分回答する従業員の負担が増えやすい傾向にあります。
質問数が多いほど回答にかかる手間や時間も増えてしまうため、負担は大きくなると言えるでしょう。
従業員がサーベイ自体に不満を持ってしまうと、真剣に取り組んでもらえず効果的な結果が得られなります。
必要以上のサーベイの実施や、不要な設問は避けるようにしましょう。
また、サーベイを活用して社員の不満や課題の把握が可能ですが、集計や分析をおこない、具体的な改善策を考えなくてはならない担当者の負担にも注意が必要です。
調査の機会が多く回答内容の質が下がってしまう可能性がある
社員の状態をリアルタイムで測るためとはいえ、必要以上にパルスサーベイの頻度が高くなってしまっている場合には注意が必要です。
何度もサーベイに協力しなくてはならない社員にとっては、繰り返し回答を求められることを負担に感じてしまう可能性があります。
社員は、普段の業務を処理しながらサーベイに回答する必要があります。
中には、業務に追われ、回答に十分な時間を割けない社員もいるでしょう。
そのため、短い期間で何度もサーベイが実施されると、負担の増加が不満へつながるかもしれません。
そのような状態では、抱えている悩みや課題について真剣に向き合うことが難しくなり、回答の質が下がってしまい、本質的な運用ができなくなってしまいます。
回答の質の低下を防ぐには、目的によって質問内容を変更したり、従業員が回答しやすい設問設計にしたりするなどの対策が必要です。
具体的な改善策は担当者が考えなくてはならない
パルスサーベイはその特性上、調査の機会が多くなります。
実施後には、担当者が結果の集計と分析内容に基づいた改善策の考案までおこなわなくてはなりません。
回答する社員と同様に、通常業務を処理しながらサーベイに関連した作業をおこなわなくてはならないため、業務負担が大きくなってしまう可能性があります。
本来は短いスパンで実施されるパルスサーベイの特性を生かし、実行した改善施策が職場にもたらした影響を次回の集計時に分析できる形が望ましいでしょう。
サーベイ関連の業務に十分な時間を割けるよう、担当者のリソースを調整する動きが求められます。
結果集計から改善策の実行までを短期間におこなわなくてはならない
社員数が多いほど、回答の集計・分析には時間がかかります。
そのため、短いスパンで定期的、継続的に調査をおこなう特性を持つパルスサーベイは、集計から改善策の実行までを短期間におこなう必要があり、運用担当者に大きな負担がかかることが考えられます。
運用側のリソースが十分でないまま実施した場合、有効なデータを集められたとしてもうまく活用できない事態に陥ってしまうことが考えられます。
調査に協力したにもかかわらず、調査結果のフィードバックや改善が実行されない場合、社員が不信感を覚えるかもしれません。
次回以降の回答率や回答精度の低下に影響する可能性があるため注意が必要です。
パルスサーベイを意味のあるものにするなら「Geppo」
パルスサーベイを組織内で有効に運用するためには、社員の負担にならないよう適切なスパンでの実施や、回答の質を下げない質問数の設定が重要です。
またサーベイの実施後には、短期間のうちに回答の集計・分析をして、改善策へ落とし込んでいかなくてはなりません。
さまざまな作業の生じるパルスサーベイを効率良く実施するためには、サーベイツールの活用をおすすめします。
サーベイを効果的に活用するためのサポートが手厚く継続率は98%
サーベイツール「Geppo」は、業界業種を問わずさまざまな規模の企業で利用されており、98%の継続率を獲得しています。
その背景の1つとして、導入企業に対する手厚いサポートが挙げられます。
運用前にはGeppoの効果的な活用方法について、専任担当者がオンボーディング方式で徹底的にサポートします。
また、結果に基づき提示する改善策に迷った際には、担当者から同業種、同規模程度の企業の実例をもとに改善策を提示します。
KPI達成のための質問例も豊富に揃っているため、初めてサーベイを導入する企業でも安心です。
パルスサーベイの質問例集
パルスサーベイを効果的に実施するには、質問の設定が重要です。
サーベイツールのGeppoでは、全国就業実態調査(JPSED)から退職・休職の要因を導き出し、3つの質問で多くの人事課題を網羅できるように設問を設計しています。
ベースとなる3つの固定質問は以下のとおりです。
【仕事満足度】仕事(業務量、業務内容)に対する満足度はいかがですか?
【人間関係】あなたの職場の人間関係は良好ですか?
【健康状態】最近よく眠れていますか?
さらに、上記の質問の他に+αとしてフリーコメントや追加の質問を設定できるため、自社に合った形にカスタマイズして従業員社員の状態を把握できます。
サーベイツール「Geppo」における4問目の活用例
ベースとなる固定の3問の他に、+αで1つの設問の設定で、固定されている3つの質問だけでは測定できない社員の不満や意見を収集できます。
組織の課題や目的に沿った質問設定をおこなうことで、パルスサーベイを有効に活用できるのはGeppoの強みの1つです。
ここでは、+αで設定できる質問の具体例を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リモートワークを実施している組織の質問例
「リモートワーク下で、社員の意見や不満などがわかりづらくなった」という企業の悩みを解消するのに役立つ形でGeppoを活用したい場合、追加設定する質問の例としては以下が挙げられます。
- リモートワーク(在宅勤務)はいかがですか?
- 在宅勤務(リモートワーク)と出社では、どちらのほうがパフォーマンス(生産性)が上がりますか?
上司や同僚との関係についての質問例
社内のコミュニケーションに不安がある場合、上司や同僚との関係について質問を設定することで、不満や意見の引き出しに有効活用できます。
また、部署内で調子が悪そうだと感じる人物がいないかについて質問をすれば、チームにおいて第三者目線で負担の大きくなっている可能性のある社員の存在に気付く手段として活用できます。
- 上司との1on1はどのくらい満足していますか?満足点や不満点があれば教えてください
- あなたの周りに調子が悪そうと感じる方はいますか?その方のお名前をお教えください
業務内容に関する質問例
業務内容について具体的に記載してもらう設問にすると、社員のモチベーションや仕事のやりがいなど、エンゲージメントを測定することもできます。
また、直近の成功事例なども引き出せる可能性もあります。
- 最近の業務の中で、嬉しかった事、楽しかった事はありますか?
- 仕事に対してポジティブに向き合えていますか? また、その状態になったきっかけについてコメント欄にお願いします。(コメント必須)
※これらの他にも、Geppoの豊富な活用事例から、具体的な質問設計について担当者からアドバイスさせていただくことも可能です。
パルスサーベイを実施する際の注意点
パルスサーベイを実施する際には、以下の4つの点に気をつけましょう。
- 実施する目的を明確にする
- 社員の具体的な状態まで把握するのは難しい
- 回答のマンネリ化が起きないような質問設計
- 正確なフィードバックによって効果的な運用を実現する
明確な目的がないサーベイは、実施そのものが目的となってしまいやすく、社員の労力やコストが無駄になるかもしれません。
また社員の詳細な状態を個別で把握するためには、別途ミーティングの実施などが必要になる点にも注意しなくてはなりません。
ここからは、パルスサーベイを効果的に運用するためのポイントについて解説します。
パルスサーベイの目的を明確にする
目的やゴールが曖昧になったままパルスサーベイを実施してしまうと、意見を集められたことに満足してしまい、課題の解消につながらなくなってしまう事態が想定されます。
社員の課題や意見を把握するだけでなく、結果に基づいた改善へ落とし込んでいかないと、回答した社員の労力やツールの導入にかかった費用が無駄になってしまいかねません。
結果のフィードバックと改善策の実行までをきちんとおこない、組織の成長や職場環境の見直しに価値をもたらす運用を実現しなくてはなりません。
まずは何のために社員の声を集めるのか、あらかじめサーベイの目的やゴールを明確にしておきましょう。
詳細な実態まで把握するのが難しい
高い頻度で実施するパルスサーベイは、質問設計などで社員の負担をおさえる工夫が必要にななるため、簡潔かつ少ない質問数で実施されるケースも多いです。
しかし、限られた質問数で社員が抱える個々の事情までを把握するのは簡単ではありません。
具体的な実態を把握し、適切な改善策に移していくためには別のサーベイを活用したり、調査結果をもとにした1on1ミーティングなどのヒアリング機会を設けたりする必要があります。
社員の回答した内容について、その背景や実態がきちんと把握できていないまま改善策を実行しても、解消につながらない可能性がある点には注意しましょう。
回答のマンネリ化を防ぐ工夫が必要
パルスサーベイは、短いスパンで簡単な質問を定期的に繰り返しおこないます。
そのため、従業員の回答も同じようなものとなってしまう可能性があります。
何度も繰り返しおこなわれると「この前回答したばかりだから」と、適当な回答をしてしまう人もいるかもしれません。
このような回答のマンネリ化は、回答の精度低下を招く恐れがあります。サーベイの目的を明確に伝え、きちんとフィードバックを実施することや、定期的に質問の内容を変えてみるなどの防止策が有効です。
効果的な運用のために正確なフィードバックが求められる
パルスサーベイを実施したまま、結果のフィードバックを行わなかった場合、社員はパルスサーベイ自体を「意味のないもの」と捉え、次回以降からは真剣に回答をしなくなる従業員もいるでしょう。
惰性で回答する社員が増えるとサーベイの質が低下してしまい、信頼性が損なわれてしまいます。
そのような状態に陥らないためにも、サーベイの実施後には正確なフィードバックをおこなうことが重要です。
調査の結果や改善策を実行に移せば、パルスサーベイの持つ意味を理解してもらえるようになり、協力を得られやすくなるでしょう。
同時に、社員は自分の意見を聞き入れてもらえたという満足感を得られるため、エンゲージメントの向上にもつながります。
パルスサーベイはGeppoで
パルスサーベイは、短期間でPDCAサイクルを回すことで従業員の意見や悩み、不満などをタイムリーに把握でき、職場における課題の早期発見、対処が可能となる調査手法です。
問題に早期に対処できるため、従業員の満足度やエンゲージメントの向上が期待できます。
しかし、高い頻度で行うパルスサーベイは従業員の負担になりやすいため、質問設計などによる工夫が重要になります。
より効果的な運用を実現するために、サーベイツール「Geppo」の利用もおすすめします。
【監修者プロフィール】
木下 洋平
合同会社ミライオン
株式会社リクルートや教育研修会社での勤務後、現在は独立した専門家として活動。
キャリアコンサルタント資格を取得し、400人以上の個人のキャリア開発をサポート。
また、企業向けの人材育成・組織開発コンサルティングも手掛けており、個人と組織の両面での支援を行っている。