風通しの良い職場に共通する特徴とは?職場の心理的安全性を高める取り組みを解説

By Geppo編集部(監修:木下 洋平) |
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Geppo編集部(監修:木下 洋平)
カテゴリー: 離職防止 エンゲージメント 組織文化

風通しの良い職場

職場の雰囲気は、社員にとって「働きやすさ」や「やりがい」に直接関わる重要な要素です。心理的安全性が確保され自由に意見交換がおこなわれるような明るい雰囲気の職場は風通しの良い職場だと言えるでしょう。

本記事では、風通しの良い職場が求められる背景や特徴、職場の心理的安全性を高める取り組みについて解説します。

 

 

目次

風通しの良い職場とは

風通しの良い職場の定義

 

風通しの良い職場とは、信頼感をベースに同僚間でのコミュニケーションが活発で、上下関係でのコミュニケーションも取りやすい環境を指します。風通しの良い職場環境を作り出すには、所属する人材同士の信頼関係が構築され、職場全体の心理的安全性が確保されることが欠かせません。

 

こうした職場では、活発な意見交換がなされ、新たなアイデアが生まれやすくなります。また、スムーズなコミュニケーションにより業務のムダやムラが排除され、生産性も向上します。なにより「働きやすい職場」として、多くの社員のエンゲージメントを高めるでしょう。

 

風通しの良い職場が求められる背景

風通しの良い職場が求められる理由

 

職場は、日常において多くの時間を過ごす場所です。職場環境の善し悪しは、社員の状態やパフォーマンスに大きく作用します。職場の風通しの良さは心理的安全性を高め、意見交換などのコミュニケーション機会を活発にするだけでなく、人材の離職を防ぎ定着率の向上にも影響します。

特に社員同士の円滑なコミュニケーションは、「働きやすさ」や「やりがい」に直結するため、企業は風通しの良い職場を構築する努力が必要です。

 

心理的安全性を高める必要があるため

事業成長につながる新たなアイデアを生み出すためには、社員の心理的安全性を高める必要があります。VUCA(※)と呼ばれる不確実性の時代、これまでの発想だけでは、会社の発展につながる事業展開は難しくなるでしょう。

 

斬新なアイデアは、気兼ねのない雑談や活発な意見交換から生まれます。風通しの良い職場では、フラットなコミュニケーションが定着しているため、雑談や意見交換がしやすくなります。「何を言っても否定されない」「まずは耳を傾けてくれる」という安心感があり、良質なコミュニケーションが確保されるのです。

※VUCAとは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の各頭文字をとった造語で、将来の予測が困難な状態を指します。

 

離職を防ぎ社員の定着率を高めるため

少子高齢化が進む昨今では、事業活動に必要な人材の確保が難しくなっています。従って、新規の採用だけでなく、既存の人材を流出させない取り組みも必要です。

【図版】令和3年度 男女別の離職理由

出典:厚生労働省|令和3年雇用動向調査結果の概況

厚生労働省がおこなった雇用動向調査の結果では、仕事を辞めた理由として「仕事内容」や「待遇」といった回答もあるなか、「職場の人間関係が好ましくなかった」と回答した割合が男性では8.1%、女性では9.6%と、ともに高い結果となっています。

 

つまり、職場における人間関係の良し悪しは、離職を決断する1つの要因だと推察できるでしょう。

職場の風通しを良くすることで、「働きやすい」「居心地が良い」と感じてもらい、社員が辞めにくい風土を形成しなくてはなりません。

 

コミュニケーションを促進し生産性を高めるため

生産性の向上には良質なコミュニケーションによる、円滑な情報共有が欠かせません。適切な情報共有により、業務の重複や遅滞を避けられるためです。また、若手社員の育成にもつながるためスキルの伝承も進み、活躍する人材が増えることで、生産性の向上が見込めるでしょう。

 

しかし、社内コミュニケーションに課題を抱える企業は多く、対策を講じる必要性が高まっています。社内コミュニケーションの改善は、社員の自主性だけに任せていては進みません。風通しの良い職場風土への改善は、企業全体での取り組みが必要です。

 

風通しの良い職場の特徴

風通しの良い職場の特徴とは

風通しの良い職場では、コミュニケーションが質・量ともに確保され、良好な人間関係が構築されているものです。いずれも、職場内に心理的安全性が確保されていることによってもたらされるものであり、「働きやすさ」や「やりがい」の源となります。

 

ここからは、風通しの良い職場に見られる共通した特徴を解説します。

 

社内コミュニケーションが活発

風通しの良い職場では、信頼関係が構築されているため、コミュニケーションが活発です。同僚同士、上司と部下、部署間でフラットなコミュニケーションがなされ、職場は朗らかな明るい雰囲気で満たされるでしょう。

 

何か困ったことが起きれば気軽に相談でき、情報共有がスムーズにおこなわれます。社員は、不安を1人で抱えこむことなく、組織として問題解決に向き合えるようになります。

 

人間関係が良好で意見が言いやすい

人間関係が良好であれば、普段から雑談が習慣になり、気軽に話せる関係性が構築できます。こうした関係性ができていれば、業務においても互いの立場や役職に関係なく、フラットな意見交換がなされるでしょう。

 

これは職場の心理的安全性が高いため、自分の意見を否定されない、攻撃されないという安心感によりもたらされるものです。

 

社員が自律しやすい

心理的安全性が高く自由に意見を言い合える環境では、自分の頭で考えて行動する習慣が身につきやすくなります。自分の意見を素直に表明することにより、当事者意識が高まり、自律性が養われます。

 

このような職場では、多くの社員がリーダーシップを発揮し、主体性をもって業務に取り組むようになります。お互いに依存しない健全なチームワークが機能し、生産性を高めていけるでしょう。

 

情報共有がなされ組織の透明性が高い

風通しの良い職場では、立場を超えたフラットなコミュニケーションが定着しているため、オープンな情報共有がなされます。情報の隠蔽や滞りがないため、社員の誰もが同じ判断基準のもと行動できるようになるでしょう。

 

正しい情報開示は、組織としての透明性を高め、社員が納得して仕事を進めていける環境が構築されます。

 

風通しの良い職場のメリット

風通しの良い職場のメリット

業務管理・組織管理の取り組みとして、情報開示や意見の吸い上げをおこなっている企業は、未実施の企業よりも「働きがい」を感じる従業員が多い傾向にあります。

【図版】業務管理・組織管理への取り組み

出典:厚生労働省  「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書」

 

厚生労働省の調査からも、取り組みを実施している企業と実施していない企業では、社員の働きがいの感じ方に大きな差が生じていることがわかります。

ここからは、職場の風通しの良さを確保する具体的なメリットについて解説します。

 

定着率が向上する

風通しの良い職場では「働きがい」を感じる社員の割合が高まります。

働きがいは職場に対する満足度を高め、社員の定着率を向上させます。コミュニケーション不足によるストレスを感じにくくなるために、伸び伸びと働けることが大きな要因だと考えられます。

 

チームワークが機能すれば成果も出しやすくなるため、充実感をもって日々の仕事を進めていけるでしょう。組織コミットメントやエンゲージメントも高い状態が保たれ、社員が定着しやすい環境を実現できます。

 

イノベーションが起きやすい

風通しが良く心理的安全性が確保されている職場では、社員も自身のアイデアや意見を提案しやすくなるため、新たな視点によるイノベーションが起きやすくなります。社員がそれぞれの視点からアイデアを出し合うことで、これまでになかった発想が生まれ、組織も活性化していきます。

 

トラブルや問題の解決が早くなる

透明性の高い情報共有により、トラブルや問題の早期発見・早期対応が可能になる点もメリットとして挙げられます。職場の風通しが良くコミュニケーションが活発であれば、些細な違和感からトラブルの兆候を感じ取りやすくなります。

 

心理的安全性が高い環境では、トラブルが発生したとしても隠されてしまうことなく、迅速な報告がなされます。早期に適切な対応がとれるため、大きな問題に発展しにくくなります。

 

風通しの良い職場において懸念される影響

風通しの良い職場における懸念事項

職場の風通しが良い環境の構築にはメリットがある一方で、やりすぎるといわゆる「仲良しグループ」のような感覚に陥り、組織としてのモラルが低下してしまうなどの影響も懸念されます。

フラットなコミュニケーションのなかにも、一定の節度が保たれることが理想です。

そのためにも、コミュニケーションの活性化により、組織の状態がどのように変化したかを把握しなければなりません。


ここからは、職場の風通しが良くなることで懸念される影響について解説します。

 

居心地が悪く感じる人もいる

オープンなコミュニケーションが苦手な人にとっては、風通しの良い職場は居心地が悪く感じてしまうかもしれません。内気な性格の人は相手との距離感が近すぎると、ストレスになってしまう可能性もあります。

 

また、自分の意見をわかりやすく伝えることが苦手な人もいます。職場の風通しが良く、コミュニケーションが活発になったことで「議論に積極的に参加しないと意欲が低い」と思われるような雰囲気が作られてしまうと、なおさら居心地を悪くしてしまうでしょう。

 

緊張感がなくなる

フラットなコミュニケーションが行き過ぎてしまうと、上下関係があいまいになり組織内の緊張感が希薄になってしまうケースも考えられます。

 

職場の風通しの良さを追求しすぎるあまり、成果に対する意識が低下してしまっては本末転倒です。社員の勤務態度がルーズになっていないか、定期的なチェックが必要になります。

 

トラブルや不祥事のリスクが高まる

職場の雰囲気が自由になり過ぎてマネジメントが機能しなくなってしまうと、トラブルや不祥事のリスクが高まります。これは、一部の社員に「これくらいはいいだろう」という、安易な考えが芽生えてしまうためです。また、管理に対する意識が薄れ、厳しく指摘する機会もなくなってきます。

 

社員の意識の低下は情報漏えいや横領などの重大な不祥事にもつながる可能性があるため、十分に注意し、社員の危機管理に対する認識なども確認しておかなくてはなりません。

 

風通しの良い職場をつくる心理的安全性を高める取り組みとは

【図版】心理的安全性向上のためのアイデア

風通しの良い職場をつくるには、ある程度の緊張感は保ちつつ、心理的安全性を高めることが求められます。安心感と緊張感のバランスを保つには、社員の自主性に任せるだけでなく、組織としての取り組みが必要です。

 

人事評価制度の整備

社内コミュニケーションを促進し、風通しの良い職場風土を形成するには、人事評価制度の整備が有効です。具体的には、コンピテンシーにコミュニケーションの項目を取り入れるといった方法が考えられます。

 

また、評価基準を明確にし、それに基づいた報酬制度を整備すれば、人事評価や処遇に対する透明性を高められます。適切にフィードバックをおこなうことで、評価結果への納得度が増し、上司と部下の関係性も向上していくでしょう。

 

1on1ミーティングの制度化

定期的な面談機会を設けることも有効な手法です。具体策としては、1on1ミーティングの制度化が挙げられます。定期的かつ高い頻度で上司と部下が面談をおこない、仕事上の相談やアイデアの共有など、さまざまな話をしていきます。

 

1on1ミーティングの制度化は、コミュニケーションの総量を増やし、質を向上させる取り組みとして有効です。相互理解が深まり、職場の風通しも良くなるでしょう。

 

フリーアドレス制の導入

部署間の交流を促進する施策として有効なのが、フリーアドレス制の導入です。フリーアドレス制とは、社員が決まった席で仕事をするのではなく、空いている席を自由に選べる制度です。

 

毎日、違う席で仕事をすれば隣席に毎回違う人が座るため、多くの人と交流を図れます。
情報共有が促進され、社内人脈を広げやすくなります。他部署との交流も活性化するため、自然と会社全体の風通しが良い環境が構築できるでしょう。

 

情報共有ツールの導入

情報共有ツールの導入も、社内コミュニケーションの向上に有効な施策です。具体的には、社内SNSやビジネスチャットツールの導入が挙げられます。コミュニケーションのハードルを下げるためのツール導入を検討する際には、手軽に利用できるかがポイントになります。

 

使い勝手が良く、気軽に情報共有が図れるツールを使用すれば、報告・連絡・相談を適切に機能させられるようになるでしょう。情報共有が希薄になりがちなリモートワーク環境下では、特に必要な取り組みです。

 

全社的なプロジェクトの実施

部門を横断したメンバーでおこなう、全社プロジェクトの立ち上げも有効な手段です。ある一定期間、各部署からメンバーを募り、プロジェクトを運営していきます。選抜されたメンバーがキーマンとなり、部署間の交流が盛んになる効果が期待できるでしょう。

 

プロジェクト終了後もメンバー同士の交流が続くようになれば、部署間のコミュニケーションが維持され、セクショナリズムが起きにくい企業風土が形成されます。

 

適度なジョブローテーション

適度なジョブローテーションを実施し、人材交流を図るのも1つの方法です。多くの社員が他部門の業務を知れば、部署間の相互理解が深まります。会社全体の業務の流れが理解できる社員が増え、協力関係も築きやすくなるでしょう。

 

社員にとっては、多様なスキルが身につくだけでなく、社内人脈が形成できるメリットがあります。会社全体では、部門最適化だけを図る閉鎖的な考えを排除し、組織運営を円滑にする効果が期待できます。

 

バーチャルオフィスツールの導入

テレワーク環境下のコミュニケーション改善の施策として、バーチャルオフィスツールの導入が挙げられます。バーチャルオフィスとは、仮想空間にオフィスを構築し、社員間のコミュニケーションを促進するツールです。

 

仮想のオフィスに社員のアバターを出社させ、アバター同士を近づくことで、コミュニケーションがとれる機能があります。ビデオ通話やチャットよりも、気軽なやり取りが可能になり、細かいニュアンスも伝えやすくなります。テレワーク環境下における、社員の一体感醸成に期待できるツールです。

 

定期的な雑談や交流の機会をつくる

職場の風通しを良くする取り組みとして、会社側が社員の交流を促すことも大切です。具体的には社内イベントの開催や、オンライン上の雑談部屋の設置、リアルのオフィスでも休憩所を増やしたり、雑談タイムを設けたりなどの取り組みが挙げられます。

 

ただ、これらの取り組みは社員の自主性に任せ過ぎた場合、業務効率の低下を招くことも考えられます。ルールを明確化したうえで会社の施策として実施し、タイムリーに状況を確認するのも必要です。

 

サーベイの実施により組織と従業員の状態を把握する

コミュニケーションを促進し、職場の風通しを良くすることは多くのメリットをもたらします。しかし、行き過ぎた場合は、健全な組織運営を阻害する要因になってしまいます。こうした事態を避けるためには、職場と社員の状態を適切に把握することが欠かせません。

 

具体的にはサーベイの実施が有効な手だてとなるでしょう。組織運営の健全性を保つためには、定期的にサーベイを実施することで組織と社員の状態を診断し、必要に応じた対策が求められます。

 

まとめ

まとめ

職場風土は、「働きがい」や「働きやすさ」に直結する大切な要素です。適度に風通しの良い職場は、社員のモチベーション向上に作用し、健全な職場の維持につながります。社内コミュニケーション向上の施策は企業として取り組むべきでしょう。

しかし、職場の風通しの良さを優先するあまり、マネジメントが機能しなくなるなど、成果に影響が出るようでは意味がありません。コミュニケーション促進の施策とあわせて、組織と人材の状態を把握する取り組みも必要です。そのためにも、サーベイの実施は有効な手段となるでしょう。

 

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【監修者プロフィール】

geppo監修木下洋平 

木下 洋平

合同会社ミライオン

 

株式会社リクルートや教育研修会社での勤務後、現在は独立した専門家として活動。

キャリアコンサルタント資格を取得し、400人以上の個人のキャリア開発をサポート。

また、企業向けの人材育成・組織開発コンサルティングも手掛けており、個人と組織の両面での支援を行っている。

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