【専門家監修】組織診断・組織サーベイの意義、成否のポイント

By Geppo編集部(監修:吉田 寿) |
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Geppo編集部(監修:吉田 寿)
カテゴリー: 離職防止ツール ストレスチェック エンゲージメント 組織文化

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組織サーベイとは、より良い組織づくりを目指して行われる組織調査の名称です。

組織サーベイの中には数種類のサーベイが存在し、目的に応じて使い分けます。

本記事では、組織サーベイの概要や種類、よくある失敗例とポイントについて解説します。

 

組織サーベイとは?

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  • 組織サーベイとは組織の全体像・実態の調査方法

組織サーベイとは、組織の全体像や実態について、いくつかの質問調査を用いて行う調査手法の名称です。

サーベイ(survey)は調査や測定を意味し、組織サーベイは「組織診断」「組織調査」とも呼ばれます。

主に会社をより良くするため、より働きやすい職場にするためといった目的で実施します。

 

組織サーベイは、大きく6つの手順に分けられます。

 

課題の仮説立て → 質問の設定 → 従業員へ告知(目的の共有) → 実施 → 分析 → 活用

 

従業員協力のもと、経営・人事・職場など幅広いカテゴリの質問に答えてもらい、調査結果を分析して対策を考えます。

質問の内容は、「どのような課題を解決したいか」に応じて設定します。

 

混同されやすい「社内アンケート」は、アンケートそのものを指します。

調査の前後にある「課題の仮説立て」や「調査結果の分析」といった手順を含みません。この点で組織サーベイとは異なります。

 

  • 組織サーベイのメリット:組織全体・個人の課題を解決する

組織サーベイ導入のメリットは、組織全体や個人の課題を見つけ、解決につなげられることです。

企業のパフォーマンスや従業員満足度の向上、離職予防などに役立ちます。

 

  • 組織サーベイのデメリット:手間がかかってしまう

一方で組織サーベイは、調査実施のための準備や、調査結果の集計や分析、従業員へのフィードバックなど多くの手間がかかります。

社内だけで組織サーベイを実施する場合は、人事部門の負担が大きくなる場合があります。


組織サーベイの種類

  • 組織サーベイにはいくつか種類がある

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作成:ヒューマンキャピタルテクノロジー株式会社

 

組織サーベイ以外にも、「モラールサーベイ」「エンゲージメントサーベイ」「パルスサーベイ」などの名称を聞いたことがあるかもしれません。

組織サーベイは、上記のようなサーベイの総称として用いられています。

目的別に存在する、いくつかのサーベイの最上位概念が「組織サーベイ」だといえます。

 

組織サーベイの種類は、まず調査頻度で分けられ、続いて目的で分けられます。

 

頻度が高い(月1~毎日)場合は目的に関係なく「パルスサーベイ」と呼び、頻度が低い場合は「◯◯サーベイ」や「センサス」と呼ばれるケースが多いです。

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作成:ヒューマンキャピタルテクノロジー株式会社

 

  • 全サーベイの共通点は「より良い会社・職場づくり」

このように組織サーベイは、調査の目的や享受したいメリットによって、調査名称が異なります。

またそれによって、具体的な質問などが変わります。

 

しかし、いずれのサーベイも突き詰めれば、「会社の課題を見つけて会社をより良くする」「従業員がより働きやすい会社にする」という点で共通しています。

そのため、それぞれが厳密に分かれているというよりは、一部内容が重複しているケースもあるのです。

 

 

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各サーベイの導入目的とメリット

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組織サーベイの目的は、種類ごとに異なります。

各サーベイの目的とメリットについて解説します。

 

  • モラールサーベイ:組織の士気を高める

モラールサーベイの目的は、組織全体の士気(やる気)調査です。

士気に関わる質問調査を行い、経営・人事・職場の課題を抽出し、解決を目指します。

企業は、組織全体や従業員のパフォーマンス向上につなげられ、従業員は、より良い職場環境で働けるようになるでしょう。

 

  • エンゲージメントサーベイ:組織と個人の相互成長を促す

エンゲージメントサーベイの目的は、従業員の企業に対する「自発的な貢献意欲」や仕事に対する「活力・熱意・没頭度合い」を調査することです。

エンゲージメントを高めることができれば、組織と個人が一体となって、双方の成長に貢献し合う関係を築けるでしょう。

 

  • 従業員満足度調査(ES調査):組織への定着率を高める

従業員満足度調査の目的は、企業から与えられた待遇・環境に対する従業員の「満足度」を調査することです。

勤務時間や給与、福利厚生、キャリア開発・教育制度における課題を見つけることで、定着率改善につなげることができるでしょう。

 

  • ストレスチェック:心身の不調を防止する

ストレスチェックの目的は、従業員の心身の不調を未然に防ぐことです。

「企業が職場環境を良くする」だけでなく、「本人が自身のストレスについて気づきを得る」ことで、不調を防ぎます。

 

  • パルスサーベイ:小さな変化をすぐに見つける

パルスとは、脈拍のこと。

パルスサーベイは脈拍を測るように、短いサイクルで従業員の状態をチェックするために用います。

従業員の小さな変化をスピーディーに把握し、時系列に沿って推移・変化を把握します。

課題・問題を小さなうちに発見し、早期に対策を講じられるでしょう。

 

組織サーベイの具体的な失敗例

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前述のとおり、組織サーベイは6つの手順で進められます。

 

課題の仮説立て → 質問の設定 → 従業員へ告知(目的の共有) → 実施 → 分析 → 活用

 

このサイクルをうまく回すことが理想といえますが、つまずきやすいポイントがいくつかあります。

 

続いては、よくある失敗例についてご紹介します。

 

  • 失敗例1:問題意識・仮説をもっていない

組織サーベイを実施するうえでは、「何のために行うか」を明確にする必要があります。

社内の課題をピックアップし、その原因の仮説を立てておきましょう。

 

問題意識や仮説をもたず、「とりあえずやってみよう」で実施すると、回答から適切な分析や考察ができず何の課題解決にもつながらない可能性があります。

「長時間労働は、職場の人間関係に原因があるのでは?」などといった仮説を事前に立てましょう。

 

  • 失敗例2:ネガティブな表現の質問を設定してしまう

質問を設定する際、ネガティブな表現は避けましょう。

たとえば、「あなたは当社を何年後に辞めますか?」という質問では従業員も答えづらく、また退職を勧めているようにも捉えられかねません。

「当社でこの先何年働きたいですか?」といったポジティブな表現で質問することで回答する側の心理的な負担を下げることができます。

 

  • 失敗例3:調査目的を従業員に前もって告知していない

あらかじめ調査の実施・目的について告知をしていないと、回答率・正確性が低くなってしまうことがあります。

目的が共有されないことで「会社をより良くするための重要な調査であること」を理解できず、忙しさを理由に回答しない従業員が出てくることも。

 

また「後から何か言われるのでは?」「回答が人事評価に影響するのでは?」と疑心暗鬼になって虚偽の回答をしたり、一部の質問にしか答えないケースも想定されます。

 

回答率・正確性を高めるために、あらかじめ調査の目的を伝え、調査への協力を依頼しましょう。

 

  • 失敗例4:集計時の匿名性が担保できていない

調査回答を集計するのは、基本的に「社内」か「外部機関」のどちらかです。

 

社内で集計すると、「回答を社内の調査担当者に見られるのでは」と懸念して、有効な回答を得られないことがあります。

Web回答システムを使ったり、外部機関に委託したりするなどして、匿名性を担保しましょう。

 

  • 失敗例5:浅い分析だけで終えてしまう

集計結果は、一定の手法に基づいて分析します。

特にセンサスやモラールサーベイ、エンゲージメントサーベイといった質問数が多い調査の場合、しっかりとした分析が求められます。

 

しかし、多くの企業は「単純分析」や「クロス分析」といった基本的な分析で終えてしまっています。

課題や対策の優先順位を決めるには、「ポートフォリオ分析」などを用いると良いでしょう。

 

これらの分析手法については、こちらの記事で解説しています。

【専門家監修】モラールサーベイのメリットと最大活用する方法 

 

  • 失敗例6:従業員にフィードバックしない

調査終了後、経営層・マネジメント層は、集計結果や分析結果をもとに、課題に対する改善策を練っていくことになります。

 

一方で、回答した従業員にも調査概要をフィードバックすることが大切です。

このフィードバックを怠ると、意図的に結果を隠しているようにも捉えられかねません。

「集計結果がかなり悪かったのか?」「まじめに回答したのに不親切だ」「結局変わらないのか」などと、従業員が疑念や不満を抱く結果にもつながります。

また、次の調査を回答してもらえなくなる可能性も出てきます。

 

従業員には、「全社向けフィードバック」と、本人の所属する「部門向けのフィードバック」を共有するとより効果的でしょう。

ただし、構成人数が十名未満の部門は、「誰がどのような回答をしたか」を特定しやすくなるため、あえて非公開にしても良いでしょう。

 

失敗しないためのポイントは「仮説検証」

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  • 良い仮説を立てるには日々の小さな変化をキャッチ

ここまで、組織サーベイで陥りやすい、いくつかの失敗例を紹介してきました。

こうした失敗をしないために、まず大切なのが仮説をもって調査に臨むということです。

「〇〇の原因は△△である」という仮説をあらかじめ立てることで、より適切な調査結果の分析につながり、課題とその原因を正しく把握し、解決につなげられるようになります。

 

では、どのように仮説を立てたら良いのでしょうか?

 

良い仮説を立てるには、日々の小さな変化をキャッチすることが重要です。

たとえば、「最近社員の元気がない」「この部署だけ売上が落ちている」という小さな変化に気づけば、「社員のモチベーションが下がっているのかもしれない」といった仮説に結びつけることもできるでしょう。

 

  • パルサーベイの導入で効果的な仮説検証を

自社のささいな変化に敏感でいるためには、パルスサーベイの導入が効果的です。

パルスサーベイは月1・週1・毎日という高頻度で実施することが基本。

ささいな変化にタイムリーに気づくことができます。

中には、「出社時に必ずパルスサーベイに回答する」という社内ルールを設けている企業もあります。

 

 

パルスサーベイで見えてきた変化から仮説を立て、その仮説をもとに最適な組織サーベイを選んで実施すると、組織的な課題を発見することができます。

「良い仮説 → 良い調査 → 良い改善」という、より良い会社づくりのサイクルを回すことにもつながっていくでしょう。


【監修者プロフィール】

 

吉田 寿

HRガバナンス・リーダーズ株式会社 

指名・人財ガバナンス部 フェロー 

BCS認定プロフェッショナルビジネスコーチ

 

早稲田大学大学院経済学研究科修士課程修了。

富士通人事部門、三菱UFJリサーチ&コンサルティング・プリンシパル、ビジネスコーチ常務取締役チーフHRビジネスオフィサーを経て、202010月より現職。

“人を基軸とした企業変革の視点から、人財マネジメント・システムの再構築や人事制度の抜本的改革などの組織・人財戦略コンサルティングを展開。

中央大学大学院戦略経営研究科客員教授(2008年~2019年)。

早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員。

主要著書『働き方ネクストへの人事再革新』(日本経済新聞出版)等多数。

 

 

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