カテゴリー: 離職防止 離職率

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近年、日本では多くの企業が人手不足の問題を抱えており、人材を確保するのが厳しい状況が続いています。

特に優秀な人材に関しては、働き方改革の影響で雇用の流動化が進み、採用がさらに難しくなっているようです。

 

このような状況で、採用した人材の定着指標である「社員定着率」に注目が集まっています。

 

本記事では、社員定着率の概念や社員定着率が下がる原因、社員定着率を向上させるメリット、その方法などを詳しく解説します。

 

目次

 

社員定着率とは

社員の定着率とは

社員定着率という言葉は、企業の魅力度を図る指標として知られています。

ここでは、社員定着率の考え方や算出方法を解説します。

また、社員定着率と離職率の関係性も見ていきましょう。

 

社員定着率の考え方

社員定着率とは、「入社してから一定期間が経過したあとも働き続けている社員の割合」を表す指標です。

日本においては4月入社が一般的なので、4月を基準として年度単位で計算されるケースが多いようです。

ただし、企業によっては基準となる月や対象となる期間が異なる場合もあります。

 

一般的に、社員定着率が高い職場は離職する社員が少なく、社員にとって働きやすい職場環境が整っていると考えられる傾向があります。

反対に、社員定着率が低い職場は離職する社員が多いと判断できるため、職場に何かしらの問題があると推測できます。

 

社員定着率は以下の計算式で算出可能です。

 

社員定着率の算出方法

以下の条件をもとに具体例を使って計算してみましょう。

【条件】

  • 対象期間:1年間
  • 4月に採用した人数:50人
  • 1年後に残った人数:39人

 

条件を上述の計算式に当てはめると、以下のようになります。

 

(39人÷50人)×100=78%

 

この企業の社員定着率は78%です。なお、社員定着率は対象とする期間によって変化します。

 

社員定着率と離職率の関係

離職率は社員定着率と同じように、企業の働きやすさを図る指標として考えられています。

 

ただし、離職率は社員定着率とは反対に、一定期間内に離職した社員の割合を表します。

厚生労働省の定義によれば、「常用労働者に対する離職者の割合」と定義されており、雇用動向調査で使用される以下の計算式で表されます。

 

離職率の算出方法

社員定着率と離職率は表裏一体の関係です。

つまり、社員定着率が高い場合は離職率は低くなり、反対に社員定着率が低い場合は離職率は高くなります。

 

社員定着率と離職率は合計すると100%になるので、社員定着率の計算式を利用しなくても、100%から離職率を引くと算出可能です。

 

前述のケースでは、一定期間の離職者が11名いる形となるため、計算式で表すと以下の通りとなります。

 

(11人÷50人)×100(%)=22%

 

社員定着率の現状

社員定着率の現状

 

厚生労働省の令和4年雇用動向調査の結果から、日本全国の常用労働者の平均離職率は11.9%であり、社員定着率は88.1%であるとがわかっています。

業界別では宿泊業・飲食サービス業が最も低く、鉱業・採石業・砂利採集業が最も高いという結果でした。

また、新卒社員の平均社員定着率(入社3年以内)は70%台となっています。

 

ここからは、上記3点に関して調査結果をもとに解説します。

自社の数値と比較して、自社の現状や立ち位置を把握してみてください。

 

出典:厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況 

 

日本全体の平均社員定着率

厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査結果の概況」によれば、2022年の日本全体における平均社員定着率は88.1%(平均社員離職率11.9%)でした。

前年の2021年が88.9%(離職率11.1%)でしたので、1.8%だけ低下したことになります。

【図版】入職率・離職率の推移

出典厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況

 

社員とパートタイム労働者をあわせた全体の入職率に注目してみると、離職率が2020年に逆転しているとがわかります。

これは、コロナ禍による影響を受け、社会全体として採用活動が停止したことが理由として考えられます。

 

その後、2021年、2022年と入職率が再び上回っているため、今後も同じように推移していけば、社員定着率は緩やかながらも改善すると予想できます。

 

ただし、経済の悪化や、自然災害の発生などがあれば、再び定着率は悪化することも考えられます。

 

なお、2009年には前年に起こったリーマンショックの影響もあり、平均定着率は83.6%(離職率16.4%)まで低下しました。

 

業界別の平均定着率

2022年に業界別で平均定着率が最も低かったのは、「宿泊業・飲食サービス業」の73.2%(離職率26.8%)です。

なお、全業界の中で定着率が80%を割り込んだのは「宿泊業・飲食サービス業」だけでした。

 

反対に、平均定着率が最も高かったのは「鉱業・採石業・砂利採取業」の93.7%(離職率6.3%)です。

 

調査結果から、全体的にサービス業は定着率が低く、生活インフラに関連する業界は定着率が高い傾向にあるとわかります。

【図版】産業別入職率・離職率(令和4年(2022))

出典厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況

業界によって定着率に差が出る原因の1つとして、「有給休暇の取得のしやすさ」が考えられます。以下は年次有給休暇の取得に関する表です。

【図版】労働者1人平均年次有給休暇の取得状況

出典:厚生労働省 令和4年就労条件総合調査 結果の概況

 

宿泊業、飲食サービス業を見てみると、有給休暇取得率は44.3%と最も低いとわかります。

一方で、電気・ガス・熱供給・水道業の有休取得率は71.4%となっており、30%近い差があります。

 

この調査結果から、有給休暇取得率と社員定着率にはある程度の相関関係があると推測できるでしょう。

 

新卒社員の平均定着率

厚生労働省が令和4年に公表した「新規学卒就職者の離職状況」によれば、新規学卒就職者の就職後3年以内の平均離職率は41.2%です。

つまり、定着率は60%程度となります。

 

学歴などによって離職率の実態は異なりますが、10人中4人が退職すると考えれば新卒は定着率が低い傾向にあると言えるでしょう。

 

新卒社員の定着率を上げるためには企業が満足度などを調査しながら、こまめなフォローをおこなう必要があると考えられます。

 

出典:厚生労働省 新規学卒就職者の離職状況(令和2年3月卒業者)を公表します

 

社員定着率が下がる原因

社員の定着率が下がる原因

ここからは、社員定着率が下がる原因を解説します。

 

厚生労働省が発表した「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」と回答したのは男性が9.1%、女性は10.8%でした。

 

ここでは新卒社員が離職した理由を深掘り、どのようなきっかけが早期離職を引き起こすのかを見てきましょう。

【図版】転職入職者が前職を辞めた理由 男女別TOP5

出典:厚生労働省 「-令和4年雇用動向調査結果の概況」(2)転職入職者が前職を辞めた理由

 

新卒社員が離職した理由トップ5

就職経験がある転入職者における退職理由に、労働時間や労働条件の悪さが挙げられます。

初めて企業に就職した新卒社員の場合はどうでしょうか。

 

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が公表している「若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状「平成30年若年者雇用実態調査」より」の「初職が正社員であった離職者が初めての勤務先を辞めた理由」から新卒社員が離職した理由トップ5を確認してみましょう。

【図版】15歳~34歳 初職の転職理由TOP5

出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構 資料シリーズNo.236 若年者のキャリアと企業による雇用管理の現状「平成30年若年者雇用実態調査」

 

上記の理由を見ると、新卒社員は現実と理想のギャップが大きいと感じた際に離職するケースが多いようです。

 

たとえば、労働時間や休日は、事前に説明を受けていたより残業が多かったり、業務量が多くて休日が思うように取得できないなどのケースが該当します。

また、入社前にやりたかった仕事と、入社後に任された仕事の内容が異なる場合にも不満を感じる人が多いようです。

 

職場への不満が早期離職につながりやすい傾向

これまでの資料を見てわかるとおり、新卒社員が早期離職する理由はさまざまですが、離職理由には「職場への不満」という共通点があります。

 

厚生労働省が令和4年に実施した就労条件総合調査によれば、職場は1日の3分の1(1企業平均7時間48分)を過ごす場所です。

 

このように長い時間を過ごす職場で、自分に合っていない仕事に従事したり、人間関係に悩まされたりすると、大きなストレスになります。

不満がたまれば、仕事のやりがいやモチベーション、さらに会社に対するエンゲージメントも低下して、離職する可能性は高くなると考えられます。

 

出典:厚生労働省 令和4年就労条件総合調査 結果の概況

 

社員定着率を向上させるメリット

社員の定着率を向上させるメリット

社員定着率が高い職場は、社員に働きやすい労働環境を提供できていると考えられます。

 

採用活動の場で社員定着率の高さをアピールすれば、求職者に対するイメージアップの効果が期待でき、人材の確保にも役立つでしょう。

 

ここでは、社員の定着率を向上させるメリットを詳しく解説します。

 

人材の確保と教育につながる

昨今、人手不足はどの業界にとっても大きな課題の1つです。

 

人手不足の解消において、社員定着率の向上は有効な一手だと考えられます。

 

「社員定着率向上」の取り組みが成功すれば、働きやすい企業として認識してもらえる可能性が高まります。

求人への応募者増加も期待でき、新たな人材の確保につながるでしょう。

 

平成27年6月より、厚生労働省では安全衛生優良企業公表制度が設けられています。

 

労働者の安全や健康のための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持・改善している企業を認定・公表するなどして、労働環境の整備を推進しています。

 

定着率の高い企業は、長く勤めている経験豊富な人材が揃っているため、業務のコツやテクニックがしっかりと受け継がれ、新しい人材を育てやすくなります。

 

以上の理由から、社員定着率の向上は、人材の確保と優秀な人材の育成につながるといえるでしょう。

 

出典:厚生労働省 安全衛生優良企業公表制度について

 

業績の向上につながる

企業の業績、従業員満足度(従業員エンゲージメント)、顧客満足度の3つは相関関係にあると言われています。

つまり、業績の向上には従業員満足度と顧客満足度の向上が必要とされます。

 

顧客満足度が上がると、業績も上がるのは直感的にも理解しやすいでしょう。

一方で、従業員満足度が上がると、顧客満足度が上がりやすくなるとされています。

 

従業員満足度が上がると、従業員のモチベーションが高まり優秀な人材が定着しやすくなります。

優秀な人材が定着すると質の高いサービスを効率的に提供できるため、顧客満足度も上がりやすくなります。

そのため従業員の定着率を上げると、業績の向上にもつながると考えられています。

 

採用・教育コストの削減ができる

社員が定着し離職率が低下すると、社員が離職する度に必要となる採用活動をおこなわずに済みます。

つまり、採用にかけるコストを抑えられるようになります。

 

反対に社員の定着率が低い状態が続くと、社員が辞めるたびに人員を補充するための採用活動が必要になります。

採用活動にかかる費用は、新卒採用で93.6万円、中途採用で103.3万円だとという統計があります。

つまり企業は、社員が離職するたびに約100万円のコストをかけなくてはいけません。

したがって社員定着率の向上は、企業のコスト削減にも寄与すると考えられています。

 

出典:就職みらい研究所 就職白書2020

 

社員のモチベーション向上

離職は残された社員にも負担がかかります。離職した社員の担当業務を残された社員が担ったり、次に入ってきた社員の育成をおこなったりする必要があるためです。

 

業務負担が増えるほどストレスも比例して大きくなる可能性が高く、社員のモチベーションが低下してしまう恐れがあります。

 

一方で、離職する社員がほとんどいないような定着率の高い企業では、業務負担の問題も発生しにくいでしょう。

既存社員の負担軽減は、モチベーション向上にもつながります。

 

社員定着率を向上させる方法

社員定着率を向上させる方法

社員定着率を向上させる具体的な方法として、社員の満足度などを測定できるサーベイツールの活用や労働環境の整備、ワークライフバランスを意識した働き方の推進などが挙げられます。

 

ここからは、社員定着率を向上させる方法について解説します。

 

社員の状態を可視化するためにサーベイツールを活用する

サーベイツールとは、会社に対して社員が抱えている考えや課題を調査するためのツールを指します。

活用することで、社員の不満や課題をリアルタイムに把握できます。

 

不満や課題の解決は働きやすい職場づくりにつながるため、会社に対する満足度が高まり、社員定着率を向上させる効果が見込めます。

 

また、会社が自分の意見を受け入れ、実際に改善に動いてくれたという実感を得るとモチベーションの向上や、会社に対する信頼度の上昇も期待できます。

会社に対する信頼度が上がれば、「この会社で仕事をしたい」という愛着心がわき、定着率アップにつながると考えられます。

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労働環境および社内環境の整備

社員定着率の向上には、労働環境を整える方法も効果的です。

 

長時間労働や残業が常態化している場合は、業務の進め方を調査し、課題を洗い出し改善する必要があります。

業務の効率化は長時間労働の解消につながります。

 

また、充実した福利厚生の整備なども大切です。

ただし福利厚生で産休や育休、介護休暇の制度が設けられていても利用しにくい環境では意味がありません。

制度を必要とする人が、いつでも利用しやすい環境の整備を進めることが大切です。社員定着率向上を目指すなら、労働環境や社内環境の整備について見直しましょう。

 

ワークライフバランスを意識する

近年は、働き方改革の推進によって「ライフワークバランス」の考えが浸透してきました。

ライフラークバランスとは「仕事と生活が両立できている状態」を指すもので、仕事と生活のバランスが取れた働き方を意味します。

 

定着率を高めたいなら、ライフワークバランスを意識するのも有効な方法です。

 

たとえばリモートワークやフレックスタイム制など、ライフスタイルにあわせた柔軟な働き方が選べる制度の導入も検討していけるといいでしょう。

 

コミュニケーションを活性化する

一般的に、社員定着率の高い企業はコミュニケーションが円滑に取れる環境が整っている傾向がある一方で、社員的定着率が低い企業は、職場の風通しが悪く、良好な人間関係が築きにくい傾向があります。

 

厚生労働省が発表した令和4年雇用動向調査では、男女とも人間関係が好ましくないことが離職理由の2位となっています。

割合は男性8.3%、女性10.4%となっており、職場での人間関係やコミュニケーションが重要であることがわかります。

 

コミュニケーションが活発におこなわれている企業では、何かあった際にスムーズに相談できるため、安心して仕事に打ち込めると考えられます。

 

このような環境を整えるためには、上司と部下による定期的なミーティングの開催や、人事と個人の1on1ミーティングなど、信頼関係を築くための方法を導入するといいでしょう。

また、人事と社員一人ひとりのコミュニケーション機会創出のきっかけに、サーベイツールが活用されているケースもあります。社員のコンディション変化を速やかに発見できる「Geppo」もまた、そのうちの1つとして挙げられます。

 

コミュケーションの活性化は周囲の社員を知るきっかけにもなり「この人と仕事がしたい」と考えられるようになる機会も創出されやすいため、定着率の向上につながると期待されています。

 

出典:厚生労働省 令和4年雇用動向調査結果の概況

 

社内コミュニケーションの活性は「心理的安全性」にも寄与する

活発な社内のコミュニケーションは、心理的安全性にも寄与します。

 

心理的安全性とは、「サイコロジカル・セーフティ(psychological safety)」の訳で、周囲からの反応に怯えることなく、 自然体で働ける状態を意味します。

 

社内のコミュニケーションが活性化され心理的安全性が高められると、発言しやすい雰囲気が作られるため相談がしやすくなり、自分の意見を否定せず受け入れてもらえるように考えられるようになります。

 

心理的安全性が高いと、ストレスから解放されるため定着率を向上させる効果が期待されます。

しかし心理的安全性が高すぎると、まれにメンバー間の衝突や摩擦が増加してしまうこともあり、離職を考える社員が出てくる可能性も考えられるため、注意しなくてはなりません。

 

人事評価制度を整える

人事評価制度が評価者によって異なると、社員は納得感を得られず不満を募らせてしまいます。

厚生労働省が実施した令和2年転職者実態調査で、離職理由として「能力や実績が正当に評価されなかったこと」を挙げた人は15.3%にものぼります。

 

定着率の高い企業では、人事評価制度の見える化に取り組み、納得感の高いものであるケースが多いと考えられます。

 

人事評価制度は、評価者が異なっても公平な評価になるような整備が求められます。

評価基準を明確にして見える化ができれば、社員は評価に対する納得感を得られるようになります。

 

人事評価が公平であると社員のモチベーションが高まり、それにともなって定着率の上昇も期待できます。

 

出典:厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況 (個2.離職理由)

 

キャリアパスを明確化する

キャリアパスが明確に示されていないと、社員が目指す将来の姿が想像できなくなります。

やりがいを感じられず、見切りをつけて離職する社員もいるでしょう。

社員定着率の高い企業は、「どうすれば成長できるのか」や「どうやったらキャリアップできるのか」などの点を明確にしていると考えられます。

業務を通してどのような経験や技術を身につけられるのか、業務は将来どのように役に立つのかを明確にするのも重要です。

 

また、キャリアパス制度の設置によって、どのような成果をあげれば昇進できるのかを明確にし、社員が望む将来への道筋を表すのも効果があります。

 

将来のキャリアが明確になるとモチベーションが上がり、仕事に打ち込めるようになることで定着率向上が期待できます。

 

まとめ

まとめ

高い社員定着率は、社員が働きやすい環境が整っていることを示す1つの指標です。

働きやすい環境での仕事は、社員のモチベーションや満足度も高まるでしょう。

 

「この職場で、この人たちと働きたい」と社員が思えれば、定着率の向上が期待できます。

定着率が高まると生産性や業績のアップも見込め、企業イメージもアップするといういい循環が生まれるため、企業にとっては大きなメリットとなります。

 

社員定着率の向上に欠かせないのは、自社の課題を明らかにすることです。

課題を明らかにするためには、サーベイツールの導入がおすすめです。

自社の課題を明らかにし、社員定着率を向上させるためにも、サーベイツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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【監修者プロフィール】

geppo監修木下洋平 

木下 洋平

合同会社ミライオン

 

株式会社リクルートや教育研修会社での勤務後、現在は独立した専門家として活動。

キャリアコンサルタント資格を取得し、400人以上の個人のキャリア開発をサポート。

また、企業向けの人材育成・組織開発コンサルティングも手掛けており、個人と組織の両面での支援を行っている。

 

 

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