レジリエンスは回復力や復元力といった意味を指す言葉です。この力が備わっている人は自分や組織をあるべき姿に回復・復元できるといわれています。今回はそのようなレジリエンスについて解説します。

レジリエンスとパルスサーベイ

①レジリエンスとは

ビジネスや心理学の分野で、「回復力」や「復元力」という意味合いを用いられるレジリエンスという言葉。辞書をひくと、「跳ね返り」や「弾力」といった意味が先に記載されています。


このような語源からレジリエンスの「回復」や「復元」は、砕けたものを修復するようなものではなく、へこんだものや曲がってしまったものが元に戻るようなイメージを持つことができます。


社会人として日々仕事をしていれば、常に絶好調というわけにはいきません。そのようななかでこのレジリエンスが高い人は、仕事で失敗をしたときやプライベートでうまくいっていないことがあるときに、モチベーションの低下や逆境を跳ね返し、プラスの状態に回復できるのです。


また、仕事へのコンディションを示す言葉として、ほかにもメンタルヘルスやストレス耐性といった言葉が用いられることがあります。これらの言葉とレジリエンスにはどのような違いがあるのか、まずはそれぞれの使い分けについて整理したいと思います。


●メンタルヘルス

メンタルヘルスは心の健康状態を指す言葉です。メンタルヘルスをケアするということは心が感じているストレスを軽減することであり、軽減することでストレスに潰されてしまわないようにすることです。レジリエンスが必要になる前の段階で意識される言葉でしょう。


●ストレス耐性

ストレス耐性は打たれ強さと言い換えることができるでしょう。ストレス耐性が高い人は責任や重圧といった負荷に耐えることができます。一方でストレス耐性が低い人は高い目標やノルマを目指すような働き方に向いていない傾向があります。ストレス耐性についてもレジリエンス以前に検討される要素です。


●レジリエンス

上記2つの言葉と比較するとレジリエンスはストレスが蓄積、もしくはトラブルが発生し、モチベーションが下がってしまった後に関わる要素です。メンタルヘルスが不調をきたしたとき、あるいはストレス耐性以上の負荷がかかり、モチベーションがさがってしまったとき、そこから回復する力がレジリエンスなのです。


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②レジリエンスは高められる素養

上記のようなレジリエンスには、高められる素養だという点が特徴があります。「気持ちが落ち込んでから回復するスピードを上げたい」、「モチベーションが下がったときにうまく対処したい」というような思いを抱えているなら、レジリエンス関連の講座や研修に参加してみてはいかがでしょうか。


また、人事としては、モチベーション管理が苦手な社員にレジリエンス講座・研修の受講を薦めてもいいでしょう。今回は「個人受講」、「通信講座」、「企業向け」という3つのタイプのレジリエンス関連講座・研修を紹介します。


●個人受講

リクルートマネジメントスクール「レジリエンス入門 ~ストレスと上手に付き合い、しなやかに乗り越える~」

レジリエンスとパルスサーベイストレスやプレッシャーが多い環境で柔軟に考え、いきいきと仕事をするためのヒントを得たいと考える人に向け、リクルートマネジメントスクールが開校している個人向け研修です。時間は3時間で午前/午後/夕方から選択し、柔軟に受講できます。プログラムは下記の通りです。


■レジリエンスとは何か ~レジリエンスを構成する要素~
■レジリエンスを高める要素(1)
・自分の捉え方・考え方の傾向を知る(エゴグラム)
・ものの捉え方・考え方を広げるワーク
■レジリエンスを高める要素(2) ~感情・行動のコントロール力を高めるヒント~
・「出来事」―「捉え方」―「感情・行動」の関係
・感情・行動のコントロール力を高めるためのワーク


レジリエンスを高めるきっかけがほしいと考えている人に向いているでしょう。

▼画像出典・研修プログラム出典およびリクルートマネジメントスクール「レジリエンス入門 ~ストレスと上手に付き合い、しなやかに乗り越える~」についての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://www.recruit-ms.co.jp/open-course/dtl/S00137/?cp2=gsem&lec_tm=c-10102207.m-1.a-257787076.d-c.kwd-324800664179.kw-937135119.aw-.ak-4943813076.as-&gclid=Cj0KCQiApt_xBRDxARIsAAMUMu8fETaaSNf8j1NEUrECnGKCqtt2-jRki_V0s_CavEeKAyKOy1TvbSoaAiIdEALw_wcB

 

●通信講座

ビリーフ・ジャパン「レジリエンスラーニング」

レジリエンスビジネスパーソンにとって、半日もしくは1日開催の研修に参加することは簡単なことではありません。ビリーフ・ジャパンが開催しているのは忙しい社会人向けの通信講座です。通信講座でありながら、講座修了後には「レジリエンス ラーニングマスター」の認定証が発行されます。講座内容は下記の通りです。


■レジリエンスの基礎
■レジリエンスの重要性
■レジリエンス要因の発見
■レジリエンスを高める
■壁を乗り越えられる自分になる


▼画像出典・講座内容出典およびビリーフ・ジャパン「レジリエンスラーニング」についての詳しい情報は下記をご覧ください。
http://resilience-learning.jp/tsushin/


●企業向け集団研修

SMBCコンサルティング「レジリエンス研修」

レジリエンスとGeppo

企業向け集団研修を実施しているSMBCコンサルティングによるレジリエンス研修です。1日(10:00-17:00)での実施を基本とし、クライアント企業の要望に応じてカスタマイズできます。ベースとなるプログラムは下記の通りです。


■「レジリエンスとは」
■ストレスと問題の関係
■あなたが人生で打たれ強かったとき(ディスカッション)
■モチベーションが高いときと低いとき


企業・チーム単位でレジリエンスを高めたいというニーズがある組織に向いているでしょう。


▼画像出典・講座内容出典およびSMBCコンサルティング「レジリエンス研修」についての詳しい情報は下記をご覧ください。
https://www.smbcc-education.jp/training_detail/%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B9%E7%A0%94%E4%BF%AE/?c=2&t=etc

 

③組織におけるレジリエンス

ここまで個人が学び伸ばすという観点で見てきましたが、組織がより良い状態であり続けるためにも、レジリエンスは重要な役割を果たします。


組織の雰囲気やモチベーションは、構成する個人に影響されます。働くメンバー1人1人のレジリエンスの集合が、組織のレジリエンスなのです。


そのため、チームのモチベーションが下がったときに引きあげてくれる人が、組織のレジリエンスを高める存在だと考えることができます。一方で、周囲を巻き込んでモチベーションを下げていく人は、組織のレジリエンスを低下させる存在だということです。


組織におけるレジリエンスは各メンバーが良い形・悪い形、双方に作用する可能性がありますので、日頃からメンバーのモチベーションやレジリエンスを把握することが重要です。


●モチベーションを管理する

モチベーションが下がった際に、チームのメンバーが自ら回復できるレジリエンスを持っているかどうかを知るためには、日々定期的にコンディションをチェックする必要があります。そしてそのような際に有効になるのが、Geppoをはじめとする各種従業員のコンディション管理ツールです。

レジリエンスとGeppo<出典>https://www.geppo.jp/


従業員のコンディション管理ツールをうまく活用すれば、組織に所属するメンバーのモチベーションのアップダウンの経過を正しく把握することができます。モチベーションの推移をたどれば、どのタイミングレジリエンスを発揮し、コンディションを回復させられたかを把握することができるのです。


人事として組織全体のレジリエンスを高めていきたいと考えているなら、まずは各メンバーの現状を把握するところからスタートしてもいいでしょう。


●レジリエンス素養を把握する

個人がもつレジリエンスの素養をより正しく計測するために、人材分析手法の1つである「Strength Finder」を活用する方法があります。「Strength Finder」はビジネスシーンで活用できる実用的な適性検査として知られ、これまでに2000万人以上が受験したといわれる試験です。


Strength Finderでは、組織に対するレジリエンスを持つ人のことを「回復志向」タイプと呼んでいます。回復志向のメンバーは組織があるべき姿に修復する役割を担い、組織に好影響を与えるといわれています。


「Strength Finder」についての書籍『さあ、才能に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』では、回復志向を次のように説明しています。


トム・ラス(2017)『さあ、才能に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』(古屋博子訳)日本経済新聞出版社

レジリエンスとストレングス・ファインダー
---以下引用---
もしあなたの介入がなかったら、たとえばこの機会は、この技術は、この人は、この会社は、機能を停止してしまった可能性があると本能的にわかっています。あなたがそれを直したのです。それを蘇生させ、活気を取り戻させたのです。
---引用終わり---


上記の説明はまさに組織に対するレジリエンスだといえるでしょう。チームで「Strength Finder」を受検すれば、仲間の中に回復志向を持っているメンバーがいるかどうかわかります。そしてそれはレジリエンスを発揮できる仲間がいるかを把握することだと言い換えられます。


「Strength Finder」のようにレジリエンスや回復志向を持っているかどうかを測定することは、仲間同士の共通理解を深めるために、組織にとって有効だといえるはずです。


▼Strength Finder(クリフトンストレングス)についての詳しい情報は下記をご覧ください。 https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253634/.aspx?gclid=CjwKCAiAhJTyBRAvEiwAln2qB9PrukZ7pvY49gKxDNdmSz2VQZjR-UQCWVUCuTdBx8QE5KsFaZSjkhoCTgwQAvD_BwE


⑤まとめ

レジリエンスはビジネスパーソン個人にとっても、組織にとっても好影響をもたらしてくれる要素です。自分のモチベーションをうまくコントロールできない、一度気分が落ちると長引いてしまうという悩みを抱えている方は、意識的にレジリエンス向上を目指してみてもいいでしょう。


組織としては、チームの雰囲気が落ち込んだタイミングでだれを中心として立ち直るのかを見ていくと、だれが組織に対するレジリエンスを発揮しているのかを判断することができるはずです。


個人としても組織としても、レジリエンスに注目することで、よりスムーズにあるべき姿に整えられるようになります。


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